ボイラー排ガスで培養成功
2024-02-02 10:00:02
ボイラー排ガスを活用した微細藻類の新たな培養成功を報告
ボイラー排ガスを活用した微細藻類の新たな培養成功を報告
株式会社ガルデリアは、三井金属竹原製煉所との協力のもと、ボイラーからの排ガスを直接利用した微細藻類ガルディエリアの光合成による培養試験に成功したことを発表しました。この実験は、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとして、広島県からの支援を受けて実施されました。
実験の背景と目的
環境への影響が深刻な今、企業は持続可能な社会の実現に向けて新たな技術の導入を進めています。株式会社ガルデリアは、未利用の熱源を活用することで、炭素資源の持続可能な循環を目指しています。具体的には、ボイラーの排ガスに含まれるCO₂を利用し、ガルディエリアの光合成培養を行うことが目的でした。
実験内容と結果
2023年11月から12月にかけて実施されたこの実験では、三井金属竹原製煉所内の工場設備を利用しました。この実験で特筆すべき点は、竹原製煉所から排出されるボイラー排ガスを用いたことです。この排ガスには、通常の大気中の200倍に達する高濃度のCO₂が含まれていました。
ガルディエリアは、硫酸酸性温泉に生息する微細藻類で、過酷な環境下でも高い生育能力を持つことが特長です。実際、ボイラー排ガスによってCO₂濃度と酸性度が上昇した環境でも、今までの実験よりも高効率で光合成が行われることが確認されました。
期待される効果
微細藻類の光合成培養においては、CO₂の濃度を増加させることで培養効率向上が図れます。しかし、純度が高いCO₂を購入する場合、そのコストはかなり高くつきます。しかし、排ガスを利用することで、CO₂を含む環境に耐性を持つガルディエリアが利用できるという新たな可能性が生まれました。ガルディエリアは、酸性や窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)にも耐性があり、排ガスをそのまま効率的に利用することが可能です。
今後の展望
この実験の結果を受けて、株式会社ガルデリアは実用スケールでの培養へと進み、三井金属竹原製煉所でのCO₂排出の削減に寄与していく考えです。さらに、培養したガルディエリアを活用して、貴金属を効率よく吸着できる技術を開発し、同製煉所の貴金属リサイクルプロセスに組み込むことで、排水中の微量貴金属の回収も目指します。
関係者のコメント
広島県庁もこのプロジェクトをサポートしており、商工労働局イノベーション推進チームからは「ガルデリアと三井金属竹原製煉所の協業は非常に大きな成果」との評価を受けています。また、三井金属鍊網では、環境負荷軽減に向けての取り組みが重要であるとの姿勢が伺えます。
まとめ
株式会社ガルデリアの取り組みは、微細藻類を用いて持続可能な社会の実現を目指す重要な一歩です。ボイラー排ガスという未利用資源を活用することで、カーボンニュートラル社会へ向けた道筋が確立されつつあります。今後のさらなる研究と技術開発が期待されます。
会社情報
- 会社名
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株式会社ガルデリア
- 住所
- 東京都中央区日本橋浜町2-4-2-709
- 電話番号
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