TOCTが新たに支援を開始
日本の伝統的な修復技法、「金継ぎ」をテーマにしたジュエリーブランド、TOCT(トクト)が画期的なプロジェクトを立ち上げました。この取り組みは、国産漆の再興や漆掻き文化の継承を目的としており、NPO法人丹波漆に対する支援が含まれています。2025年8月12日から、TOCTの公式オンラインストアにおいて、商品購入時に文化支援のオプションが追加され、選択に応じた寄付が行われることになります。
このプロジェクトでは、支援を希望する顧客が商品価格の3%をNPO法人丹波漆に寄付することで、ウルシの植栽や技術の継承、そして植栽地の管理などに役立てられます。TOCTにとって漆は、ジュエリーの重要な素材であるのみならず、日本文化を象徴するものでもありますが、漆の消費量は徐々に減少しており、漆掻き職人の高齢化や後継者不足といった問題も深刻化しています。
漆の価値を未来へつなぐ
TOCTでは、漆を単なる素材ではなく、その背後にある技術や文化、そして風景の価値をしっかりと認識しています。そのため、TOCTのチームは丹波漆の現場を訪れ、漆掻き職人である山内耕祐さんにお話を伺い、彼の想いと実践している技術について深く学びました。
漆掻き職人・山内耕祐さんの言葉
「漆で作られる作品の美しさはもちろんですが、その背景には多くのストーリーや関係性が広がっています。そこに踏み込むことで、さらに興味が深まると感じています。」と語る山内さん。彼らは現在約1500本のウルシの木を育て、職人たちが年間約40本の漆を掻いているとのことです。育成には10年以上かかり、漆が採れるのは幹の表面からわずか4mmの層という、非常に繊細かつ長期的なプロセスが存在します。
伐採後には切り株から新たに芽が生まれるサイクルを大切にしながら、漆掻きの技術も丁寧に受け継がれています。
漆文化を支える新しいアプローチ
現在の漆業界が直面している最大の課題は需要の減少です。ライフスタイルの変化が影響し、従来の漆器が使われる機会が減っている中、漆をどのように現代の生活に取り入れていくかが求められています。山内さんは言います。「TOCTのようにジュエリーという新しい視点から漆の価値を発信するアプローチは非常に重要です。若い世代や海外の人々との接点を作ることが、漆文化の未来を気づく鍵になるでしょう。」
TOCTは、ジュエリーを通じて文化に触れ、支援し、残すというサイクルを確立するため、新たな取り組みを続けていく方針です。
TOCTが提案する文化支援の新しい形
「“纏う”ことで、文化に参加する。」TOCTが提案するこの新しいアプローチは、よりリアルで心地よい関わり方です。TOCTのジュエリーは、日常の装いの中でそっと文化を支える一つのアクションとなります。特別な意志表明でなくとも、個々の“好き”が未来に届くことが、これからの時代にふさわしい新しい応援の形だとTOCTは考えています。
まとめ
TOCTの取り組みは、文化とビジネスが融合した新たなモデルであり、持続可能な社会の形成にも寄与するものです。彼らの提案するジュエリーを通じて、漆文化が未来へと受け継がれていくことを期待したいです。今後の展開にもぜひご注目ください。
- - NPO法人丹波漆は、京都府福知山市を拠点に活動しており、国産漆の植栽や技術継承に尽力しています。
- - TOCTは、金継ぎからインスパイアされたジュエリーブランドで、傷を美しく昇華させる哲学を持っています。
【Web】
【POP-UP】
- - 2025年9月6日・7日に都内にて開催予定です。
【会社情報】