循環型農業の最前線、埼玉県加須市に登場
埼玉県加須市で新たな循環型農業の実証施設がついに完成しました。株式会社豊橋バイオマスソリューションズとイオンアグリ創造株式会社のパートナーシップにより、ミニトマトの栽培に向けた新しい施設が立ち上げられ、2024年春から本格的な栽培が始まります。
この研究は、農林水産省が支援する「中小企業イノベーション創出推進事業費補助金(フェーズ3基金)」の一環として進められており、両社は持続可能な農業モデルの創出を目指しています。この新たなモデルでは、環境への配慮が大きなテーマとなっており、化学肥料の使用を減らし、温室効果ガス(GHG)の排出を削減することが目指されています。
環境保護と地域貢献を両立
農業からのGHG排出は全体の約4分の1を占めると言われており、この分野での排出量削減は急務です。イオンアグリ創造は、自社で運営する農場から、より環境負荷の少ない運営を展開しています。一方、豊橋バイオマスソリューションズは、地域の未利用バイオマス資源の活用に力を入れており、特に小規模で廉価なバイオガス発電システムの開発に成功しています。
新技術の活用
新施設では、小規模メタン発酵プラントと「プロバイオポニックス技術」を組み合わせることでミニトマトを栽培。具体的には、イオン埼玉久喜農場やイオンモール春日部で発生する農業や食品の残渣をメタン発酵技術を用いることでエネルギーに変え、その廃液を活用して液体肥料を生成します。
この肥料を使って栽培されたミニトマトは、イオングループの店舗に供給され、地域内での資源循環を実現します。これにより、エネルギーと窒素資源が地域内で循環し、GHGの排出量を削減する新しい農業モデルが確立されるのです。
持続可能な農業への道
豊橋バイオマスソリューションズとイオンアグリ創造、さらにイオンモールは、革新的な循環型農業システムを実現するために力を合わせています。このプロジェクトの成功により、地域社会とともに持続可能で豊かな食の未来を共創していくことが期待されています。
プロバイオポニックス技術とは?
このプロジェクトの核となる技術の一つが「プロバイオポニックス」です。通常、水中では有機物が腐敗してしまいますが、この技術を使用すると、特定の条件下で微生物の力を借りて有機物を分解し、植物が利用できる形態に変換できます。これにより、栄養素を効率的に植物に供給できるという大きな利点があります。
今後の展望
2025年6月から始まる共同研究を通じて、両社は持続可能な農業経営をさらに強化し、地域社会に貢献することを目指します。新たな技術とアイディアが融合することで生まれる未来の農業は、私たちの食卓にどんな変化をもたらすでしょうか。今後の展開が非常に楽しみです。