美容室市場は横ばい、利用金額は男女とも過去最高額に
株式会社リクルートが運営する美容に関する調査研究機関『ホットペッパービューティーアカデミー』が発表した「美容センサス2024年上期≪美容室・理容室編≫」によると、美容室の市場規模は1兆3543億円と前年比ほぼ横ばいとなりました。しかし、1回あたりの利用金額は男女ともにここ5年で最高額を記録しています。
女性では10,001円以上の高価格帯の利用が増加傾向にあり、特に若年層を中心に、ハイトーンカラーや髪質改善など、高単価メニューが引き続き人気となっています。男性は「カット」以外のメニュー利用が増えており、特に「パーマ」の利用率が4年連続で増加しています。
女性は高単価メニューが人気、男性は美容メニューの多様化が進む
女性の利用金額が上昇した理由として、調査では「メニュー(カット価格など)料金の値上げのため」が最も多く、次いで「カラーにかける金額が増えたため」「トリートメント、ヘッドスパにかける金額が増えたため」が挙げられています。特に、高単価客ほど「カラー」や「トリートメント、ヘッドスパ」にかける金額が増加している傾向が見られます。
男性では、「カット」に加え、「カラー」「パーマ」「トリートメント」などの利用率が前年から増加しており、利用金額の上昇につながっていると考えられます。男性の美容意識の高まりとともに、パーマは、おしゃれ目的だけでなく、髪のボリュームアップやまとまりをよくしたいというニーズに応えるものとして、幅広い世代に受け入れられているようです。
美容室業界の今後の展望
美容室市場は、価格高騰の影響を受けながらも、利用金額の増加や、男性の美容意識の高まりなど、新たな変化が見られます。今後も、高単価メニューや男性向けの美容サービスの開発などが注目されます。
美容室市場の現状と未来:変化を続ける顧客ニーズと進化する美容サービス
今回の調査結果から、美容室市場は一見、停滞しているように見えるかもしれません。しかし、利用金額の増加や、男性の美容意識の高まりなど、表面的な数字だけでは捉えきれない変化が起きていることがわかります。
特に、女性の利用金額増加は、高単価メニューへの需要の高まりを示しており、単に価格上昇による影響だけではないことがわかります。美容室では、顧客のニーズに応えるために、技術やサービスの質を高め、より高度な施術を提供する必要性が高まっていると言えるでしょう。
男性の美容意識の高まりも注目すべきポイントです。男性は、以前は「カット」中心でしたが、近年では「カラー」や「パーマ」など、美容メニューの利用が拡大しています。これは、男性も外見に気を遣うようになり、美容室で自分自身のイメージチェンジや個性を表現したいというニーズが高まっていることを示しています。
美容室業界は、顧客のニーズの変化に対応し、進化を続ける必要があります。高単価メニューや男性向けサービスの開発、技術向上など、様々な取り組みが必要となるでしょう。今回の調査結果は、美容室業界が今後どのような方向へ進んでいくのかを考える上で、重要な指針となるのではないでしょうか。