上司との1on1に関する実態調査
株式会社Kakedasが行った調査によれば、会社員の400名を対象にした「上司との1on1の相談状況」についての実態が明らかになりました。この調査は、上司と1on1面談を実施している社員に対して行われ、2024年の8月2日から8月7日にかけて実施されました。
相談内容の傾向
調査結果によると、1on1で最も多く相談したいことおよび実際に相談していることは「業務の進捗」であり、これは20%の社員が相談したい内容として選び、実際には39%がこのトピックを扱っていることが示されました。次いで「業務の方針」が18%と21.2%で続き、「業務の負荷」は15%と13.7%の割合となっています。この結果から、1on1は主に業務に関連する相談が中心に行われていることがうかがえます。
興味深い点は、相談したい内容としては「待遇」や「昇進・昇格」、「人間関係」などキャリアに関わるテーマが挙がっている一方で、これらは1on1の場ではほとんど議論されていないということです。特に「昇進・昇格」と「待遇」は相談したい割合が高いにもかかわらず、実際にはあまり話されていないという矛盾した状況が存在します。
1on1面談に期待されること
「1on1の面談相手に求めること」としては、「自分の話を丁寧に聴いてくれる」が60.3%を占めるなど、受け手がしっかりと話を聞いてもらうことに重きを置いていることが分かりました。また、客観的なフィードバックを求める声も半数以上で、解決策のアドバイスを求める意見も38%ありました。このーデータは、面談が単なる業務の確認ではなく、もっと個別の悩みに耳を傾ける場であるべきだというニーズを示しています。
マネジメントの重要性
株式会社ジェイックの執行役員である東宮氏は、「上司と部下の1対1のミーティングは、単なる業務レビューに留まらず、部下の成長促進や育成支援の場でもあるべきである」と述べています。また、他にキャリアやライフに関するテーマも適切に扱うことが必要だと指摘し、上司へトレーニングを行うことの重要性を強調しています。
現在の働き方においては、業務面だけでなく、個々のキャリアやライフスタイルについてもサポートしていく体制が求められています。上司に全てを相談するのではなく、人事部門や外部機関と連携して面談やキャリア支援を行う取り組みも考えられる必要があります。
この調査結果は、上司と部下のコミュニケーションをより良くし、業務だけでなく個人の成長を促進する環境を整えるヒントとなるでしょう。今後、企業がどのようにこの課題に取り組んでいくのか、その動向が注目されます。