金融業界の安全を守る、新たなサイバー演習「Delta Wall Ⅸ」開催

金融業界の安全を守る活動



近年、世界中で深刻なサイバー攻撃が増加しており、その攻撃手法もますます高度化・複雑化しています。日本でも、金融システムに及ぼす影響は無視できず、業務の妨害や重要情報の窃取といった深刻な被害が発生しています。このような状況を鑑みて、金融庁は「金融業界横断的なサイバーセキュリティ演習(Delta Wall Ⅸ)」という取り組みを実施することを決定しました。

Delta Wall Ⅸの背景



この演習は、金融庁がサイバーセキュリティの強化に向けた具体策の一環として開催するもので、9回目となります。プログラム名「Delta Wall」は、「自助」「共助」「公助」という3つの理念と、サイバーセキュリティにおける防御力を象徴しています。演習の重要な目的は、金融機関のインシデント対応能力を向上させ、業界全体の防御力を強化することです。

演習の概要



実施予定日程


演習は2024年10月9日(水)から21日(月)の間に実施される予定です。約170の金融機関が参加し、各機関が実際のサイバー攻撃に対する対応力を養う内容で構成されています。これは業界全体の連携を強化し、情報共有を促進する大きな機会となります。

参加機関の役割


参加する金融機関は、それぞれの立場から演習に取り組みます。リアルなサイバー攻撃を想定したシナリオを通じて、各機関の協力を確認し合うことで、より効果的な対応策を見つけ出すことが目的です。この機会を利用して、関係者同士のコミュニケーションが図られ、実際の危機発生時にも迅速かつ的確に行動できる体制を構築することを目指します。

シナリオと手法


演習では、具体的な攻撃シナリオを用意し、参加機関はそのシナリオに基づいて行動を取ります。また、専門家による講評やフィードバックも行われ、反省点や改善点を議論するための時間も設けられます。このプロセスを通じて、参加者は実践的な知識を得ることができ、通常の業務に戻った際にもその経験を活かすことができるでしょう。

まとめ



サイバー攻撃に対するリスクはますます高まる中で、このような演習の実施は金融業界にとって極めて重要です。「Delta Wall Ⅸ」を通じて、金融機関の個々の対応力と業界全体の結束が強化されることが期待されます。今後も金融庁の取り組みと、その成果に注目していく必要があります。

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