ヤマト運輸、新たな送状発行の仕組みを導入
国際的な観光業の復興が期待されている中、ヤマト運輸株式会社は、旅行者にとってより便利な体験を提供するため、新しい「簡易伝票発行ツール」の提供を発表しました。このツールの導入により、全国のホテルや空港を含む観光施設で、スマートフォンを使用して手軽に送り状を発行できるようになります。この取り組みは、2024年10月1日から全国約300カ所で実施される予定です。
背景と目的
日本政府が掲げている「持続可能な観光地域づくり」や「インバウンド回復」を受けて、観光業の需要は近年増加しています。2023年には訪日外国人の消費額が過去最高を記録し、日本国内旅行もコロナ禍前の水準へと回復しつつあります。しかし、その一方で、大きな荷物を持つ観光客が増加することによって、混雑の影響も出てきています。特に宿泊施設では荷物の一時預かりや発送業務の増加に対する業務負担が問題視されるようになっています。これに対処するため、ヤマト運輸は手ぶら観光を可能にするサービスを展開していますが、新たにスマホでの送り状発行を試みることで、よりスムーズな観光客体験を提供しようとしています。
簡易伝票発行ツールの概要
この新しいツールは、以下のような特徴を持っています。
1.
提供開始日: 2024年10月1日から利用可能です。
2.
対象商品: 基本的には宅急便、空港宅急便が対象であり、クール宅急便や着払いは対象外となります。
3.
利用できる場所: ホテルや空港など、観光客が多く訪れる施設に導入されます。
ツール導入のメリット
導入施設側の利点
- - 導入から約2週間で利用を開始できるため、迅速な利用が可能です。また、小型の端末を設置することで、限られたスペースでも対応できます。
- - 受付での手続きが簡略化されるため、混雑を緩和し、スタッフの業務負担も軽減される点が評価されています。
利用者側の利点
- - 利用者は、受付に並ぶことなく、自分の好きな場所や時間に送り状を発行できるので、時間の浪費を避けられます。さらに、複数の荷物が一度に送れるのも大きな利点です。
- - 送り先がホテルの場合は、電話番号を入力するだけで自動表示されるため、情報入力が簡素化されます。空港の場合も、一覧から選択する手間が省けます。
- - 専用WEBサイトは、英語にも対応しているため、外国人観光客にも利用しやすくなっています。
今後の展望
ヤマト運輸は、今後も利用者のニーズに応じて、ツールの導入場所や対応言語を拡充していく方針です。これにより、観光客により快適な旅行体験を提供すると同時に、地域が抱えるオーバーツーリズム問題への対策に寄与していく考えです。さらなる利便性向上を目指して、今後の展開を期待したいですね。