防風通聖散の効果
2025-11-07 18:04:06

加齢による内臓脂肪減少へ!防風通聖散の新たな可能性とは

防風通聖散が示す加齢対策の新たな道



漢方薬である防風通聖散が加齢に伴う内臓脂肪の蓄積を抑えるという新たな研究成果が発表されました。これは小林製薬と近畿大学薬学総合研究所の共同研究によって実現されたもので、同シンポジウムの最中に発表され、令和7年度生薬学会論文賞を受賞し、その効果の検証が評価されました。

この研究から、加齢による内臓脂肪や肝臓に蓄積される異所性脂肪への防風通聖散のアプローチが明らかになり、特に生活習慣病のリスクを低下させることへの期待が高まっています。近年、内臓脂肪の過剰蓄積が多くの生活習慣病を引き起こす要因となることが知られており、研究の重要性が一層増しています。

研究の背景



年を重ねるごとに、私たちの体は様々な変化を迎えます。特に、消費されるエネルギーと蓄積される脂肪とのバランスが崩れやすくなります。これにより、内臓脂肪の蓄積が進み、糖尿病や脂質異常症などのリスクが高まります。さらに、この脂肪が肝臓などの他の臓器にも影響を与える「異所性脂肪」の状態が発生し、健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

これまで防風通聖散は肥満症の治療に効果があるとされてきましたが、加齢に伴う脂肪蓄積に対する具体的な効果は調査されていませんでした。本研究は、その未知の領域に切り込みました。

研究の核心



本研究の主な成果は以下の通りです。

1. 内臓脂肪と肝臓の脂肪滴の抑制
防風通聖散は加齢による内臓脂肪や肝臓の異所性脂肪の蓄積を抑えることが発見されました。加齢による体重増加や内臓脂肪の蓄積は悪化しやすいのですが、防風通聖散はその状態を改善する可能性が示されました。特に、肝機能を示すASTやALTの数値も正常化することが確認され、健康への寄与が期待されます。

2. 脂肪燃焼力の向上
加齢とともに低下する脂肪燃焼に関与する褐色脂肪細胞の働きに着目。防風通聖散は、これらの細胞で脂肪燃焼に関わるタンパク質の一つであるUCP1を回復させることが分かりました。この作用により、脂肪燃焼率を高めることで内臓脂肪および肝臓の異所性脂肪を抑制する機構が明らかになったのです。

研究の意義と今後の展望



この研究は、防風通聖散が加齢に伴う肥満症の進行を予防し、健康な体重管理に役立つ手段としての可能性を示唆しています。今後、これらの知見をもとにさらなる製品開発が進められる予定で、医療の現場での導入が期待されています。私たちの健康的なライフスタイルに、防風通聖散がどのように寄与するのか、今後の展開にぜひ注目していきたいところです。

受賞論文の詳細


本研究成果は、「Ameliorative effect of bofutsushosan(Fangfengtongshengsan)extract on the progression of aging-induced obesity」 というタイトルで、国際的な学術雑誌『Journal of Natural Medicines』において発表されました。研究の背後にあるのは、小林製薬株式会社研究開発部の赤木淳二部長と近畿大学薬学総合研究所の森川敏生教授です。今後も両者の協力のもと、肥満症改善に向けた新たな知見が得られることが期待されます。

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学校法人近畿大学
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