一関高専の学生がSDGsコンテストで栄冠を獲得
2025年度の『SDGsの達成に貢献するバイオエコノミーとバイオテクノロジー』動画コンテストで、一関工業高等専門学校(以下、一関高専)の渡邊研究室の学生たちが最優秀賞を受賞しました。この受賞に伴う授与式は、令和7年11月13日(木)に行われ、同校の校長である小林淳哉氏からの祝辞が贈られました。
SDGs動画コンテストの背景
このコンテストは、高等専門学校の学生が日頃の学びを活かし、SDGsの関連課題に取り組むことで、バイオ技術を用いた革新的なアイデアを動画で発表することを目的としています。主催は一般財団法人バイオインダストリー協会(JBA)や日本バイオ産業人会議(JABEX)で、内閣府や文部科学省などが後援しています。全国の高専生を対象としたこのコンテストは、参加者が自らの発想力と技術力を試す貴重な機会でもあります。
受賞作品について
今回、最優秀賞を受賞した作品は「MORE藻場project」です。このプロジェクトは、磯焼けによって失われた藻場の再生を目指し、陸上でのウニの養殖技術を用いています。渡邊研究室の学生たちは、海藻の減少による生態系の影響に対して実験室レベルでの海の環境再現を行い、アナアオサの元気さを示す溶存酸素量の増加を実現しました。これにより、藻場再生についての新たな可能性を提示し、SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」に寄与する成果を上げたという評価を受けています。
特に、渡邊研究室はこれまでに2年連続で優秀賞を獲得しており、最優秀賞は今回が初となります。長年の努力が実を結んだ瞬間です。
授与式の様子
授与式はJBAオフィスと一関高専をオンラインで結び、盛大に行われました。整然とした式の中で、小林校長は学生たちの努力に対する称賛と感謝の言葉を贈り、オンラインで読み上げられた賞状が授与されました。この瞬間は、学生たちにとって大きな喜びとなったことが想像できます。
今後の展望
さらに、渡邊研究室は、スタートアップ総合支援プログラム(SBIR支援)の一環として、磯焼けウニの陸上養殖システムの開発を進めています。このシステムは、11月26日(水)から28日(金)まで東京ビッグサイトで開催される「アグリビジネス創出フェア」に出展され、藻場再生や保全に貢献する先端バイオ技術を来場者が直接体験できる形式で公開予定です。
受賞作品に関する詳細な情報は、
こちらのリンクからご覧いただけます。
一関高専について
一関工業高等専門学校は、岩手県南部・一関市に所在し、1964年に設立されました。四つの学科を持つ同校は、「明日を拓く創造性豊かな実践的技術者の育成」を理念に掲げています。地域と連携しながら、信頼される教育機関を目指すその姿勢は、今後も多くの学生たちに影響を与えていくことでしょう。