大東建託株式会社が、独自に開発した人工知能(AI)を利用したシステム「AI課長」を10月中旬から導入します。この新たな取り組みは、特に若手営業担当者のスキル向上を目指しており、約2,900名の営業スタッフを対象としています。
「AI課長」は、営業活動に必要な知識や技術を効率的に習得できるよう設計されており、営業職透明な指導とトレーニングを実現します。これにより、営業担当者は場所や時間に縛られることなく、自分のペースで学ぶことができる環境が整います。加えてこのシステムは、先輩社員による指導にかかる時間と手間を軽減する効果が期待されています。
今回の「AI課長」の導入第1弾として、特に注目されるのは「AIロールプレイング(台本型)」です。このプログラムでは、AIがオーナー役となり、営業担当者はパソコンやタブレットを用いて商談の練習を行います。これにより、実際の営業の場面を模倣し、商談スキルを身に付けることができます。トレーニング後には、AIからの個別フィードバックが提供され、さらなるスキルアップを促進する仕組みも搭載されています。
このAIロールプレイングは、日本各地の主要な方言への対応も兼ねているため、地域に特有のニーズに応じたスキルを育むことが可能です。また、2025年1月には、台本なしで臨機応変な対応力を習得する「応対型」のプログラムも導入予定です。
「AI課長」には他にも、年度内に導入予定の機能が多数あります。たとえば、専門用語や法律、税金に関する知識をAIが提供するチャットボット機能がその一つです。さらに、顧客との会話から得た情報を音声データに可視化する機能や、顧客の関心度を分析し成約に結びつける提案内容を考えるAI機能などが計画されています。このように、将来的には過去の成功事例を元に具体的な行動計画を提案する機能も搭載される予定です。
大東建託は「AI課長」の導入を通じて、本来のビジネスモデルである「人財」の育成に重点を置き、自社の持続的な成長を目指しています。今後も多様なAI機能の導入を進め、営業業務の効率化と社員の成長を促進していく考えです。すべての営業担当者にとって、より良い学びの場が提供されることになります。期待される成果に向けた取り組みがどのように進展していくのか、今後の発展が注目です。