金融庁の会見から見えた令和7年度予算案の課題と動向

2023年3月25日、金融庁の加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣が記者会見を行い、最近の情報漏洩と業務改善命令に関して説明しました。これにより、金融業界における法令遵守の重要性が改めて強調されています。今回はその内容とともに、今後の予算案に関する動向を掘り下げていきます。

情報漏洩に関する業務改善命令

加藤大臣は、現在、東京海上日動、あいおいニッセイ同和、損害保険ジャパン、三井住友海上の4社に対して、保険業法に基づく業務改善命令を発出したことを発表しました。この命令は、過去の情報漏洩事件を受けてのものであり、金融機関にとっては重大な信頼の危機を招きかねません。各社には、法令遵守と顧客情報管理態勢の改善が求められており、加藤大臣も「今後しっかりとした改善がなされることを期待している」と述べました。

令和7年度予算案への懸念

会見では、令和7年度の予算案についても言及されています。野党からは予算成立が間に合わない場合に備え、暫定予算の編成を求める声が上がっており、自民党は年度内の成立を目指す方針を示しています。加藤大臣は、この件に関して具体的なコメントは控えましたが、与野党間での協議が進められていることを報告しました。彼は、政府としても早期成立に向けて真摯に議論を続けていく意向を示しています。

インサイダー取引の問題

さらに、会見では、証券取引等監視委員会が三井住友信託銀行の元部長をインサイダー取引で告発した件も取り上げられました。この事件は金融機関に対する市民の信頼を揺るがすものであり、「再発防止策の徹底が求められる」と加藤大臣は強調しました。金融機関には高いモラルを維持する責任があるとし、今後の信頼回復に向けた明言をしました。

痛感される法令遵守の重要性

情報漏洩やインサイダー取引といった問題が続く一方で、金融機関に対する法令遵守の徹底が求められています。加藤大臣は、「法令遵守態勢の抜本的な改善が必要」と述べ、金融機関の取り組みに対する監視を強化する姿勢を示しました。これにより、金融市場の信頼性を保つための取り組みが続けられることが期待されています。