ペリオが香港市場へ進出！新たな挑戦と成長の軌跡

ペリオが香港市場へ新規上場申請

2025年4月28日、香港にてハイパフォーマンス・アウトドアウェアブランド「ペリオ（PELLIOT）」を展開するペリオアウトドアスポーツグループ株式会社（以下ペリオ）が、香港証券取引所メインボードへの新規株式公開（IPO）申請を正式に発表しました。共同主幹事を務めるのは中金公司（CICC）と中信証券（CITIC証券）です。この申請により、ペリオは「中国発の高性能アウトドアライフスタイルブランド」として初めて上場企業となる可能性があります。

急成長を遂げるペリオの実績

ペリオは2012年に設立され、2022年から2024年にかけての純売上高は3.51億元から17.33億元に拡大。年平均成長率は122.2％という驚異的な数字を記録し、業界での存在感を増しています。2024年には、中国の高性能アウトドアウェア市場で小売売上高ベースでトップ3に位置し、市場シェアは5.2％に達する見込みです（出典：フロスト＆サリバン）。

資金調達においても、テンセントや啓明創投、さらには国有資本からの支援を受けており、特に2025年3月にはテンセントから3億元の追加出資を受け、最大の機関投資家となりました。この時点での企業評価額は28億元に達しています。

ブランドの中核商品と独自性

ペリオの特徴的な商品は、インナーとアウターを自由に組み合わせできる「3in1」ハードシェルジャケットです。この商品は軽量性と高機能性を兼ね備え、ランニングやサイクリング、ハイキングなどのアクティビティでも快適に使用できます。また、ペリオは「中国初の単体ダウンハードシェルジャケット開発者」としても知られており、2022年から2024年にかけての販売数は約380万着に達し、年平均成長率は144.0％を記録しています。

さらに、ダウンウェアやフリース、ソフトシェルといった新たなカテゴリーへの展開も進行中です。これまでに25以上のアウトドア団体と連携し、おおよそ120回のオフラインイベントを開催しており、ブランドの認知度向上に貢献しています。

DTCモデルで成長を加速

ペリオはDTC（Direct-to-Consumer）モデルを成長戦略の主軸に据え、多様なマーケティング施策を展開しています。デジタル広告やアウトドアイベント、プロアスリートとのコラボレーションを通じて、消費者との接点を増やしています。特に2025年4月時点での抖音（Douyin）関連動画の累計再生回数は30億回を超え、小紅書（RED）での関連話題数も2億件に到達しています。

オフラインの展開も進んでおり、世界の七大陸最高峰や北極、南極を制覇する「7+2プロジェクト」を支援。また、ペリオがスポンサーを務める登山家・何静氏が、中国人女性で初めて無酸素で8,000メートル超の14座を全て制覇するという快挙も話題となりました。これにより、ブランドの認知度は一層高まりました。

直営14店舗と132のパートナー店舗を展開し、体験型フラッグシップ店舗の導入も進めています。2022年の店舗売上高は730万元から、2024年には1.69億元に成長。

投資先としてのペリオの魅力

2022年から2024年にかけての売上は、3.79億元、9.08億元、17.66億元と順調に拡大し、年平均成長率は115.86％です。また、粗利益率も54.3％から59.6％に改善し、調整後純利益は0.28億元から3.04億元まで急増し、年平均成長率は232％に達しております。

市場においては、フロスト＆サリバンによれば、中国本土の高性能アウトドアウェア市場が、2019年の539億元から2024年に1,027億元へ、さらに2029年には2,158億元に達すると予測されています。機能性アパレルの中で特に高い成長が期待されています。