2024年に向けて、月面探査が新しい局面を迎えます。株式会社ispaceの欧州法人であるispace EUROPEは、欧州宇宙機関(ESA)との間で進めている月面探査ミッション「MAGPIE」について、契約が更新されることを発表しました。これにより、具体的な技術開発やミッションの実施が加速します。
MAGPIEは、月の極域における揮発性物質や水氷の探査を目的とした重要なミッションであり、先進的な地球物理学と極域の氷の探査に関する知見を深めることを目指しています。この契約は、先端地球物理学と極域氷探査に焦点を当てた初のアプローチであり、初期段階の契約から新しいフェーズに進むことで、総契約金額は約437百万円に達します。
新契約に基づき、ispace EUROPEはESAと連携し、ペイロードの技術の成熟、接続方法の開発、試作機の製造など、ミッションの具体化を進めていきます。特に、ミュンヘン工科大学やオスロ大学を含む多くの機関とともに、コンソーシアムを構成し、協力していくことが期待されています。これにより、次世代の月面探査技術が生まれるだけでなく、欧州としての宇宙探査の位置づけを強化することができます。
ispaceとESAの協力は、月面探査の強化だけでなく、月の永久凍土地域における科学的知見を拡充し、資源の利用や月面開発に向けた大きな一歩となるでしょう。このことは、ESAが掲げる2040年戦略に対する重要な貢献となります。
ispace EUROPEのCEOであるJulien-Alexandre Lamamy氏は、「この契約は、政府機関と商業パートナーの協力が次世代の宇宙探査において重要な役割を果たすことを示しています」とコメントしています。彼の言葉には、これからの月面探査が持つ可能性と業界全体の期待が込められています。
月面探査の実現に向けた動きは止まらず、2025年1月にはispaceの二度目のミッションが控えています。このミッションでは、独自に開発した欧州初の小型月面探査車が打ち上げられ、ESAとの連携が一層深まることになると期待されています。また、前回のミッションで取得されたデータやノウハウを活かし、さらなる確実な科学成果を目指すのです。
株式会社ispaceは、2010年の設立以来、月面資源の開発やビジネスの実現に向けて着実に歩んできました。月面市場へのアプローチとして、今回の契約改定も新たな一歩です。月面探査車の開発を通じて、持続可能な宇宙探査の実現に向けた取り組みが加速していくことでしょう。一般社団法人や大学との協力関係をさらに強化し、日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で、300名以上のスタッフが共に未来の宇宙産業を形作っていく姿が想像されます。
この促進された月面探索の活動は、一般の関心を集め、新たな宇宙ビジネスの流れを生むきっかけとなるでしょう。ますます進化する宇宙技術に光が当たる中、MAGPIEが月面探査に寄与することへの期待が膨らむばかりです。
今後もispaceの進展から目が離せません。