オーストラリアの深海で実現するCO2回収貯留プロジェクトdeepC Storeの全貌
近年、地球温暖化の進行による環境問題が深刻化する中、CO2の排出削減が求められています。そのために注目を集めているのが、オーストラリアの沖合で展開されるCO2回収貯留プロジェクト「deepC Store」です。このプロジェクトは、アジア太平洋地域で発生するCO2を効率よく回収し、長期的に貯留する仕組みを目指しています。
deepC Storeの概要
deepC Storeは、さまざまな産業施設から発生するCO2を液化し、専用船でオーストラリア沖の洋上圧入ハブ設備に輸送するというものです。このハブでは、その液化CO2を付近の地下貯留層に圧入することで、長期間の貯留を実現します。
このプロジェクトにおいては、JX石油開発および東邦ガスとの契約が結ばれており、両社の専門技術を活かして深い知見を確保することで、投資機会の検討も進められています。トランスボーダーズ・エナジーが主要な役割を果たし、他にもCSIROや九州電力、および大阪ガスなどが参加しています。
参加企業の役割
トランスボーダーズ・エナジーは、本プロジェクトの概念設計やCO2地下貯留層の評価を含む研究を主導します。また、CO2の供給や設備の設計・施工に関する契約の事前協議も行う予定です。
特にJX石油開発は、カーボンニュートラル実現に向けたCCUS(CO2の回収・貯留利用)に注力しており、これまでの経験をもとにdeepC Storeに貢献するとしています。過去にはベトナムでのパイロットテストや、米国のPetra Nova CCUSプロジェクトなどで成功を収めています。
一方、東邦ガスもまたCO2の分離・回収技術に向けた開発を進めており、deepC Store参加を嬉しく思っています。彼らは、このプロジェクトの成功に向けて、他のパートナーと協力し合う意向を示しています。
オーストラリア政府の方針と一致
最近のオーストラリア政府の「CO2排出削減技術ステートメント」において、CO2回収貯留技術は次世代の重要な技術として位置付けられています。このプロジェクトは、オーストラリアの多様な産業からのCO2削減を実現するための方法として優先されているのです。
深海でのCO2回収貯留は、地球温暖化の進行を食い止めるための重要な手段であり、今後の展望が期待されます。deepC Storeがもたらす可能性は、単なる環境保護にとどまらず、エネルギー産業や経済への影響も大きいと考えられています。
本プロジェクトが成功し、国際的なCO2削減に寄与することができれば、オーストラリアは新たなエネルギーのハブとなるでしょう。これによりアジア太平洋地域の戦略的地位も向上することが期待されます。トランスボーダーズ・エナジーは、このプロジェクトの進行に全力を注ぎ、さらなる技術革新を追求する所存です。
(文中敬称略)
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