2025年5月15日、東京科学大学湯島キャンパスにて、医療データサイエンスセミナーが開催され、老化研究に関する新たな知見が提供されました。このセミナーは東京科学大学 医療イノベーション機構が主催し、リアルワールドデータ(RWD)を用いた医療とヘルスケアの革新をテーマにした重要なイベントです。
ここでは、様々な企業と研究機関が集結し、医療分野での先端的な取り組みや研究成果を披露しました。また、セミナーの後半には、東京科学大学における歯科や医学の横断的研究が紹介され、産業と学術の連携による医療イノベーションの具体的なケーススタディが展開されました。
このセミナーの中でも特に注目を浴びたのが、リジェネソーム株式会社の発表でした。代表取締役の鈴木健吾氏と社長の佐久間善太郎氏が「データサイエンスを活用したロンジェビティ研究の紹介」と題して講演を行い、老化に伴う社会課題に対する取り組みを示しました。特に、以下の4つの主要な研究テーマが挙げられました。
レセプトおよび健康診断データを利用して、年齢層ごとの認知機能障害発症率を分析し、その傾向を探りました。
老化に関連するデータベース構築に向けた遺伝子治療技術とAIの活用計画が提案されました。
発酵素材を利用した新しいヘルスケアプロダクトのアイデアが提示され、未来の医療に貢献する期待が寄せられています。
誰もが実践できるエイジングケアの方法についての提案もあり、参加者からの関心を集めました。
また、セミナー終了後の情報交換会では、多くの参加者が意見交換を行い、新しい協創の可能性が感じられる貴重な時間となりました。懇親会では、津南醸造の日本酒が振る舞われ、参加者同士の親交を深める場となりました。日本酒のラインアップには、純米大吟醸「つなん白」と「郷GRANDCLASS 魚沼コシヒカリEdition」が含まれており、和の文化を感じながらセミナーの余韻を楽しみました。
この医療データサイエンスセミナーは、研究機関や企業、学生の知見を共有する場としても非常に重要な役割を果たしています。多様な視点から医療とヘルスケアの未来を展望し、継続的なコラボレーションが期待されます。
東京科学大学 医療イノベーション機構についても触れておくと、この機構は診療ニーズを基盤に、異分野の専門家や企業、政策立案者と連携し、医療データの利活用や技術移転、起業支援を行っています。具体的には、5つの専門室が協力し、持続可能な医療を実現するための総合的な取り組みを進めています。
リジェネソーム株式会社は、ナノ粒子であるエクソソームを活用し、老化の抑制や再生医療の新しいソリューションを提供しようとしています。2025年には新たな研究所を開設し、ビジネスと研究の両面から成長を目指します。また、宇宙医学に対する貢献も見据えている点が特徴的です。
今回の医療データサイエンスセミナーは、未来の医療を切り開くための重要なステップといえるでしょう。