Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクトの取り組み
一般社団法人タラ オセアン ジャパンは、2025年の春から夏にかけて「Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクト」の2年目の活動を本格化させることを発表しました。このプロジェクトの目的は、海藻や海草といったブルーカーボン生態系の重要性を調査し、広く認識を広げることにあります。目標として、全国13カ所以上において、約4年をかけた調査・研究を計画しています。
プロジェクトの背景と意義
ブルーカーボン生態系は、豊かな生物多様性を支える「生物のゆりかご」として知られています。さらに、この生態系は炭素を隔離し、地球温暖化の抑制にも寄与するため、特に注目されています。現在、どの種の海藻や海草がどのように炭素を隔離するのか、その具体的なメカニズムは未解明な部分が多く、さらなる研究が求められています。タラ オセアン ジャパンは、このプロジェクトを通じてデータを収集し、明らかにしていく狙いです。
調査の内容
2024年に始動したプロジェクトの初年度は、九州大学の天草臨海実験所、北海道大学の北方圏フィールド科学センター、島根大学の隠岐臨海実験所の3か所で海藻を対象にした調査を行いました。また、広島大学では海草を対象にした調査も行われています。2年目の2025年には、調査拠点を7つに広げ、次のエリアで海藻の調査を行います:
- - 4月:筑波大学 下田臨海実験センター
- - 5月:長崎大学 環東シナ海環境資源研究センター、高知大学 総合研究センター海洋生物研究教育施設
- - 6月:香川大学 瀬戸内圏研究センター庵治マリンステーション、新潟大学 佐渡自然共生科学センター臨海実験所
- - 7月:北海道大学 北方圏フィールド科学センター忍路臨海実験所、東北大学 大学院農学研究科附属女川フィールドセンター
これは、より多様な環境での調査を可能にし、精度の高いデータ収集に貢献します。
啓発活動と社会との関わり
本プロジェクトでは、調査拠点において地域の人々や一般の方々に向けた啓発活動も実施します。具体的には、セミナーやビーチクリーン、科学実験の体験プログラムなどを通じて、ブルーカーボン生態系の認識を広めることを狙っています。2024年の活動では、多くの参加者が科学者との対話を楽しんでおり、2025年も各地でイベントを開催する予定です。詳細はタラ オセアン ジャパンの公式ウェブサイトやSNSで発信される予定です。
具体的な調査手法
このプロジェクトでは、以下のような調査手法を用います:
- - 海藻が藻場から沖合にどれだけ影響を与えるかを調べる採水調査
- - 光合成の効果を測定する実験
- - 堆積物中の海藻の量を調べる採泥調査
- - ドローン技術を活用して藻場の範囲を特定する
これらの調査によって、藻場の健康状態や海藻が気候変動に果たす役割の理解が深まることを期待しています。
JAMBIOとの連携
JAMBIO(マリンバイオ共同推進機構)は、日本全国の臨海実験所や水産実験所の研究連携を推進する組織です。タラ オセアン ジャパンは、JAMBIOと協力し、過去にはマイクロプラスチック共同調査を実施してきました。これまでの取り組みを踏まえ、ブルーカーボンプロジェクトにおいても連携を強化していく方針です。
結論
「Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクト」は、海洋環境の保護と持続可能な未来に向けた重要なステップです。私たちの活動が、地球温暖化問題の解決に向けた一助となることを目指します。今後の活動にぜひご注目ください。