家庭血圧管理の新時代
2025-12-18 14:02:27

京都大学とオムロンが開発したAIが家庭血圧の測定継続性を予測

京都大学とオムロンが手掛ける家庭血圧管理AIの未来



最近、京都大学大学院医学研究科とオムロン ヘルスケア株式会社が共同で開発したAIモデルが、家庭での血圧測定の継続性を予測することに成功しました。この研究は、健康管理アプリを通じて収集した約30万人のデータを分析し、新たな血圧管理の手法を提供するものです。

研究の背景と目的


高血圧は、脳や心血管疾患の主要なリスク因子とされており、その管理には定期的な血圧測定が不可欠です。しかし実際には、多くの患者が測定を途中で辞めてしまう現実があります。このことが治療の効果を損なうだけでなく、重篤な健康問題を引き起こす可能性があります。このような課題に対処するために、AIを活用した測定継続性の予測が求められていました。

AIモデルの開発


研究グループは、オムロンの健康管理アプリ「OMRON Connect」に登録されている個人の血圧データを基に、2週間分の測定データと各ユーザーの属性に基づいて測定の継続性を予測するAIモデルを作成。これにより、4週間後の測定継続の有無を90%以上の精度で予測することが可能になりました。

このモデルは、利用者の年齢や性別、血圧値、測定頻度に加え、曜日ごとの測定パターンを分析し、特に平日での測定頻度の減少が測定継続に与える影響が明らかになりました。これにより、高血圧のアドヒアランスが低下するユーザーを早期に特定できるようになりました。

データ解析の重要性


今回の研究では、機械学習を駆使して蓄積されたデータを定量的に解析しましたが、これにより従来は捉えきれなかった点に光が当たりました。特に、2週間の中での最高血圧値が基準値を超えるユーザーが測定を中断する傾向があることが分かりました。これらの情報をAIが抽出することで、健康管理の新しいアプローチが生まれました。

今後の展開


開発されたAIモデルは、今後の高血圧管理において利用される見込みで、患者の健康維持をサポートする道が開かれています。また、この研究成果を基に、オムロンヘルスケアが収集した大規模データと京都大学の専門知見を融合させることで、医療とテクノロジーの統合を図り、より効果的な「健康医療のDX」を実現することが期待されています。

共同研究の意義


京都大学の奥野恭史教授が主導するこの共同研究は、「健康医療AI講座」や「健康医療DX講座」といった先進的なプログラムの一環として進行しています。この講座では、健康機器から得られる時系列データを用いて、個々の健康リスクを早期に検出し、治療や生活習慣の改善に繋げる技術の創出に取り組んでいます。

このたびのAIモデルの開発は、高血圧管理における新しい道筋を示すものであり、多くの患者にとってより良い健康管理が実現可能となるでしょう。これからの展開に注目です。


画像1

会社情報

会社名
オムロンヘルスケア
住所
電話番号

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。