シングルサインオンの導入状況と企業の取り組み
株式会社デージーネットが2026年2月に名古屋で開催された展示会で、シングルサインオン(SSO)の導入状況とその課題に関するアンケート調査を行いました。この調査は、業務システムやクラウドサービスの利用が拡大する中で、企業が抱えるIDやパスワードの管理の複雑さに焦点を当てています。
調査の目的と背景
近年、従業員が扱うID・パスワードの種類が増加し、その結果としてログインの管理が煩雑になっています。パスワードの使い回しはセキュリティリスクを伴い、企業にとっては大きな問題となっています。その一方で、シングルサインオンはこうした課題を解消するための解決策として注目されています。しかし、実際にどの程度導入されているか、またその効果やハードルについても十分に理解されていないため、デージーネットではこのような調査が必要とされました。
調査結果の概要
調査に参加したのは127名で、有効回答数は123名でした。興味深い結果が得られました。
- - シングルサインオンが未導入の企業は39.8%、導入済み(全社または一部)は38.2%で、ほぼ半数が導入に踏み切っている状況です。
- - 「ログイン管理の煩雑さ」が42.9%の企業で最も多くの悩みとされており、これがシングルサインオン導入の動機になっています。
- - 導入企業の70.2%が、ログインにかかる手間や時間が減ったと実感していることが明らかになりました。
- - 未導入企業の最大の課題は「費用対効果が見えにくい」というもので、これは導入判断を遅らせている要因の一つです。
詳細な調査結果
ログインの管理負担とは?
企業の悩みとして最も多かったのが「ID・パスワードが多くて管理が大変」という点であり、42.9%がこの問題を指摘しています。業務のデジタル化が進む中で、従業員は多数のログイン情報を抱え、管理が難しくなっています。
シングルサインオン導入後の効果
シングルサインオンを導入した企業では、70.2%がそれによって操作が楽になったと感じており、導入がもたらす効果が高く評価されています。他にも、セキュリティ面での安心感が増したという回答が27.7%を占めました。しかし一方で、未導入企業ではまだ導入に対して懐疑的な意見が多く、特に導入コストの不透明さが障壁となっています。
今後の導入予定は?
今後のシングルサインオンの方針については、50.8%が「分からない」とし、具体的な判断を保留していることがわかりました。全社導入を望んでいる企業は少数派であり、やはり導入に対する慎重な姿勢が見受けられます。
課題の抽出と今後の展望
本調査を通じて、多くの企業がログイン管理に苦しんでいる現状が明らかとなりました。シングルサインオンはその解決策として有効であるものの、導入が遅れているのは費用対効果が不明瞭であるためです。これを解消するためには、分かりやすく具体的なデータを提供し、導入のメリットをより明確に示していく必要があります。また、導入に際しては、まず小規模な試行から始めるアプローチも有効です。
Keycloakの利点
このような課題解決策として、オープンソースの認証基盤「Keycloak」が注目されています。Keycloakはシングルサインオンの基本機能を持ち、さらに多要素認証やユーザ管理もサポートします。また、ライセンス費用がかからないため、企業にとって経済的なメリットがあります。多くのシステムと連携可能であるため、既存の業務システムにも取り入れやすい点がポイントです。
デージーネットの役割
デージーネットでは、Keycloakを使った認証基盤の構築支援や導入後のサポートを行っており、企業のスムーズなシングルサインオン導入を助けています。運用面での支援も重視しており、システム稼働後のトラブルにも対応できる体制を整えています。
このように、シングルサインオンの導入が進むことで企業は多くのメリットを享受できる可能性が広がります。効果を明確に示し、導入を進めることが求められる時代です。