ITRI、日本市場へ
2025-06-04 14:50:01

ITRIがJapan Drone 2025に出展し日本市場を目指す高成長ドローン技術

Taiwan's ITRI Showcases Innovative Drone Technologies at Japan Drone 2025



台湾工業技術研究院(ITRI)が、日本最大のドローン展示会である「Japan Drone 2025」に出展しました。同展示会は、台湾卓越ドローン海外ビジネスチャンス連盟(TEDIBOA)のリーダーシップの下、ITRIが開発した6つの先進的なドローン技術を紹介しています。これらの技術は、インフラ点検や物流といった高付加価値分野をターゲットにし、日本市場への本格的な参入を図るものです。

日本のドローン市場は、2025年には384億米ドル、2028年には634億米ドルに達すると予測されており、年平均成長率は18.6%と見込まれています。この背景に基づき、ITRIは地政学的なリスクやグローバルなサプライチェーンの再編成を視野に入れ、「非レッドサプライチェーン」の構築に寄与する意義についても強調しています。

展示会の期間中、ITRIは日本UAS産業振興協議会(JUIDA)、日本を代表するドローンサービス開発企業、eVTOL(電動垂直離着陸機)メーカー、物流用ドローン企業など、10社以上と連携し、共同研究や技術ライセンスの提供などの協業機会を探ることに成功しました。ITRIの劉文雄院長は、「常に産業のニーズに応じた技術開発を進めており、TEDIBOAの国際展開を支支援しています。」と述べています。

驚愕の高性能ドローン技術



ITRIが発表した6つの技術の中で特に注目されるのは、「長時間飛行型燃料電池ドローン」です。このドローンは水素燃料電池を搭載し、最大5kgのペイロードをもって181分の飛行が可能です。従来のリチウム電池ドローンの約3倍の性能を誇り、特に山岳地帯での捜索救助や緊急物資輸送に適しています。サポートのためのモジュール式設計も特徴で、用途に応じた迅速な構成変更が可能です。

続いて披露された「物流ドローン」は、送迎インフラが乏しい地域での配送を想定して設計されています。高効率モーターとモジュール型のペイロードを組み合わせることで、高い飛行安定性と航続距離を両立させています。すでに日本企業と提携し、神戸工業団地での食品配送デモは成功裏に行われました。

最終的に、「AIドローンフリートシステム」は、リアルタイム映像伝送やAIによる魚群識別機能を搭載したドローンの群れでの協調飛行を支援するものです。これにより、漁場の探索、橋梁の点検、倉庫内めぐりなどの現場で活用が進んでいます。

国際的なドローン産業ネットワークの構築へ



ITRIは、台湾経済部産業技術司の支援を得て、ドローン技術の自立化・高付加価値化に向けた取り組みを強化する姿勢を見せています。展示品には、動力モジュールや冗長型フライトコントローラー、超小型フライトコントロールボードなどの中核技術も含まれていました。これらの技術は、厳しい気象条件や長時間のミッションでの安定した運用を可能にします。

さらに、ITRIは、日台間のドローン自主サプライチェーンに関しても強化を目指し、展示会での交流を基に商業用ドローンの開発企業などとの具体的な連携案を積極的に協議しています。この取り組みは、強靭で自立したアジア太平洋地域のドローン産業ネットワークの構築に貢献します。

今回のJapan Drone 2025への参加は、ITRIにとって台湾の技術力を世界に示すまたとない機会です。日本が自国でのドローンサプライチェーン確立に向けての政策を推進している中、ITRIの出展は新たな国際的な産業協力の幕開けとして期待されています。


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