企業価値向上に貢献する人的資本マネジメントサービスのリリース
2023年、一般社団法人iCD協会、株式会社エイチ・ピィ・ピィ・ティ、株式会社RIKKA、ジェイ・フェニックス・リサーチ株式会社の4つの法人による新たな人的資本マネジメントサービスが登場しました。このサービスは、企業の人的資本を企業価値と直結させることを目的としており、急速に変化する経済状況の中で、企業の成長を支援します。
1. 背景と課題
東京証券取引所が発表した「PBR1倍割れ企業への改善要請」は、このサービスの開発を促進する大きな要因となっています。2024年には、多くの上場企業がPBR1倍を割り込むと推測され、社員一人ひとりの貢献がかつてないほど重要視されています。現役経営者は、PBRの改善策を模索する一方で、現場においてはその具体策が不明確な状況が続いています。
経営者の課題
- - PBR向上に向けた行動指針が不明
- - ROICとWACCの関連性が不透明
- - 投資家向けの人的資本データに欠如
現場の課題
- - 自分の業務の企業価値への貢献を説明できない
- - 生産性向上の結果が株価に反映されているか不明
- - 経営者と現場の情報ギャップが存在
これらの課題は、企業が成長していく上での障壁となります。
2. 新サービスの目指すもの
この新しいサービスでは、タスクがどのようにPBR向上に寄与するかを可視化し、人的資本経営を株主価値に直結させる仕組みを提供します。JPRによる分析では、PBRとROIC/WACCには高い相関関係があり、高付加価値タスクへの時間配分がその因果を支えています。このことからも、明確な道筋を経営者に示し、現場にも納得感のある経営手法を提供します。
3. サービス概要
新しいサービスは、次の3つのステップで構成されています。
ステップ1: タスク体系化
全社業務をiCDのタスクディクショナリを用いて標準化し、経営者から現場まで共通の理解を得ます。
ステップ2: 価値貢献度の紐づけ
各タスクの価値貢献度を8段階で評価し、業務の達成度を数値化します。
ステップ3: 可視化とシミュレーション
RYXを用いて、業務時間を測定し、分析し、貢献度のシミュレーションを行います。結果として、人的資本経営の改善がPBR向上につながります。
4. 導入プロセス
このサービスの導入プロセスは全9ステップで構成され、初めてサービスを導入する企業には現状分析から始め、その後のステップでPBR向上を目指します。これにより、中小企業は約9ヶ月、大企業では16-20ヶ月の実装期間を見込んでいます。
5. 今後の展望
今後は、国際的な基準と連携しつつ、PBR改革に則った人的資本経営の高い開示基準を確立し、投資家にとって魅力的な企業を目指します。各法人のノウハウを活かし、企業の成長支援に貢献していくことでしょう。この新サービスが、企業の人的資本管理の未来を切り拓くことを期待しています。