M&A市場、活況続く!6月取引件数は過去10年で最多
2024年6月のM&A件数は89件と、前年同月比37件増、過去10年で最多を記録しました。前年同月比で増加したのは9カ月連続で、M&A市場の活況ぶりが伺えます。
取引金額も1000億円を超える大型案件が2件発生し、7051億円に達しました。上半期累計では、前年同期比106件多い607件と、過去最高のペースで推移しています。
コンテンツIP関連のM&Aが活発化
6月は、コンテンツIPに絡むM&Aが金額上位にランクインしました。
1位は、米投資会社のブラックストーンによる電子コミック「めちゃコミ」を運営するインフォコムのTOBによる非公開化案件です。取引金額は2757.6億円と、圧倒的な金額となっています。インフォコムは、これまで帝人の子会社としてシステム開発を受託していましたが、帝人がグループ戦略の見直しに伴い、事業の選択と集中を図るため、インフォコム株の売却を決断しました。
ブラックストーンは、多くのデジタルコンテンツ企業を傘下に持つCandle Mediaを投資先に持ち、今回の買収により「めちゃコミ」の米国などの海外展開が期待されています。
5位には、サイバーエージェントによる「刀剣乱舞」などのゲーム・アニメ事業を展開するニトロプラスの買収案件がランクインしました。ネットフリックスなどの新勢力の台頭により、メディアビジネスは大きな転換期を迎えており、国内外でコンテンツIPを求める動きが活発化しています。
健康食品関連も注目
2位は、キリンホールディングスによる健康食品・化粧品のファンケルのTOBによる子会社化案件です。キリンは、ビール、医薬に続く第3の事業としてヘルスサイエンス事業に注力しており、ファンケルの得意とするスキンケア商品へのアプローチとともに、ファンケルの健康食品の海外展開を図る予定です。
M&A市場の今後の展望
今後も、コンテンツIPや健康食品関連のM&Aが注目されるとともに、デジタルトランスフォーメーション(DX)やサステナビリティへの取り組みを加速させるためのM&Aも増加すると予想されています。M&A市場は、今後も活発な動きを見せることが予想されます。