サーモフィッシャーが新たに発表したQ Exactive質量分析計
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社は、米国デンバーで開催された第59回ASMS年次会議で、最新の高性能ベンチトップ四重極型質量分析計「Thermo Scientific Q Exactive」を公表しました。この新しい装置は、液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS/MS)の革新されており、リリースが話題を呼んでいます。
Q Exactive質量分析計の特徴
Q Exactiveは、四重極によるプリカーサーイオンの選択と高分解能質量分析を融合させた初の市販装置です。この装置は、信頼性の高い定性的および定量的ワークフローを提供するため設計されています。特に、革新的なHR/AM Quanfirmation機能により、ユーザーは1回の分析で、複雑な混合物に含まれる多様なトレースレベルの代謝産物や汚染物質、ペプチド、タンパク質を識別し、定量化、確認することができます。
複雑な分析を簡素化
従来の技術と異なり、Q ExactiveはMS/MS感度や質量分解能を犠牲にすることなく、正確な結果をもたらします。この装置を使うことで、実験室では、タンパク質の同定やメタボリズム研究、法医中毒学、食品安全調査などの分野で、時間を節約しながら効率的に分析を進めることが可能になります。米国サーモフィッシャーのグローバルR&D担当副社長、イアン・ジャーディン氏は、「Quanfirmation機能により、成分の識別、定量化、確認のプロセスが簡便になります」と語っています。
技術的革新
Q Exactiveでは、以下のような技術的な革新が施されています:
- - 新しいイオンソース光学により、感度が最大5倍向上。
- - 四重極マスフィルターを統合し、前駆体イオンの選択が可能に。
- - 高度な信号処理により、フルスキャンモードでの分解能が140,000 FWHMに向上。
- - HCD衝突セルによるスキャンスピードの向上。
- - マルチプレックス検出により、UHPLCとの互換性を大幅に向上。
これらの機能が相まって、Q Exactiveは1回の分析で複雑なマトリックス内の数百のトレースレベルコンポーネントを明確に識別し、確認する最適な選択肢となります。さらに、一般的な抽出方法を活用し、食品安全や法医学における新たな応用分野へも貢献します。
企業の概要
サーモフィッシャーサイエンティフィックは、世界有数の科学サービス企業として認識されています。日本法人であるサーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社は、横浜をはじめ東京、大阪、福岡に拠点を持ち、質量分析計や各種分析機器を提供しています。ミッションは、より健康で、清潔で、安全な世界の実現であり、多様な研究機関や企業に向けて価値のある製品やサービスを提供しています。
詳細は、
Thermo Scientificのウェブサイトで確認できます。