渋谷区が生ごみ減量を目指す新しい取り組みを開始
渋谷区では、環境保護を目指した取り組みとして生ごみの処理方法を見直し、行動を起こしている。今回の実証事業は、株式会社komhamの技術を活用し、地域住民が参加できる形で進められる。具体的には、生ごみを高速処理する微生物「コムハム」が活用されたコンポストが設置され、区民が自宅から持ち込んだ生ごみを処理できる仕組みが導入されることになった。
コンポストの仕組み
この「コムハムコンポスト」は、住民が自宅で出た生ごみを近くのコンポストへ運ぶもので、ボックスに入れた後にレバーを回すことで処理が始まる。これにより、燃やされてしまう生ごみも「コムハム」の活動で分解され、環境に優しい形で処理が進められる。
背景にある問題
生ごみ処理の必要性は高まる一方で、東京都の埋立地の寿命が残りわずか50年となっている懸念もある。渋谷区も、焼却を避ける方向で新しいシステムを探求してきた。しかし、コンポストによって生成された堆肥を受け入れる農地が都心ではなかなか存在しないという課題も。そこで「コムハム」は、堆肥を作ることなく98%を水と二酸化炭素に分解できる特性を持つため、この実証事業が実現した。
企業の協力
さらには、渋谷区内に本社を持つ株式会社サッポロ不動産開発と東急不動産が同事業に賛同し、恵比寿ガーデンプレイスや東急プラザ表参道原宿にもこのコンポストを導入することが決定した。これにより、取り組みの効果をしっかりと検証し、更なる技術向上を目指すという。
実証事業パートナー募集
実証事業は、渋谷区ふれあい植物センターを拠点に行われ、ふれあい植物センターまで生ごみを持参できる区民がパートナーとして参加できる。主に広尾や渋谷の一部地域に住む方々を対象に、パートナーは15世帯が募集される。
- コンポスト設置場所:渋谷区ふれあい植物センター
- 対象:該当地域にお住まいの区民
- 募集人数:15世帯
- 実証期間:2021年10月10日〜2021年12月
- 募集開始:2021年9月14日
- 募集締切:2021年10月4日
- 説明会:2021年10月9日開催予定
- 運用開始:2021年10月10日
その他の設置場所
他にも、特別養護老人ホームや、渋谷区立の小学校など、複数の地域においてもコンポストの設置が予定されている。
会社情報
株式会社komhamは「持続可能な選択をしたくなる未来をつくる」というミッションを掲げ、有機性廃棄物を高速で分解する微生物の研究を行っている。
その技術を使ったバイオマスリサイクルシステムを様々な事業者に提供しており、エコな暮らしを誰もが手軽に選べるようなインフラ作りに注力している。
渋谷区でのスムーズな生ごみ処理が実現することで、地域の環境意識が高まり、持続可能な社会を築く一助となることが期待されている。