高円寺「読夢の湯」、深夜コワーキングスペース化でクラウドファンディング開始!
東京・高円寺にあるユニークな書店「読夢の湯」が、新たな挑戦に乗り出しました。銭湯をイメージした全面畳敷きの店内は、くつろぎと読書が楽しめる空間として人気を集めています。この度、同店は営業終了後の深夜帯に、コワーキングスペース「YOMU no CO」をオープンさせるべく、クラウドファンディングを開始しました。
銭湯風書店「読夢の湯」とは?
2024年7月にオープンした「読夢の湯」は、古民家を改装した、まさに「くつろぐ」ための書店です。靴を脱いで畳の上に上がり、自由に本を選べるスタイルは、従来の書店にはない、リラックスした雰囲気を演出しています。出版社やジャンルにこだわらない、独特の選書も魅力の一つです。
イベントスペースとしても活用され、ライブやワークショップなども開催。今後は動画コンテンツ制作やライブ配信にも挑戦するなど、多角的な展開を見せています。
深夜コワーキングスペース「YOMU no CO」への挑戦
今回のクラウドファンディングは、書店の営業終了後の20時から翌2時まで、コワーキングスペースとして活用するための資金調達を目的としています。畳敷きの広々とした空間は、仕事や勉強に集中できる環境を提供するだけでなく、人と人が自然と繋がる場としても期待されています。
店主の渡邊健治氏は、コロナ禍におけるテレワークの普及や「カフェ難民」の増加などを背景に、リアルなコミュニケーションが希薄になっている現状を憂慮。このコワーキングスペースを、人々が集い、交流し、新たなアイデアを生み出す場として位置付けています。
高円寺というクリエイターの多い街においては、漫画家や小説家などの創造活動の場としての活用も期待されます。また、学校や会社帰りに自宅で勉強や仕事に集中できない人にとって、深夜まで営業するコワーキングスペースは、まさにうってつけの場所と言えるでしょう。
クラウドファンディングへの期待
今回のプロジェクトでは、深夜営業に必要な従業員の確保、ウォーターサーバーや冷蔵庫などの設備の購入資金を調達することが目標です。
支援者へのリターンには、「読夢の湯」オリジナルのパーカーやサコッシュなどが用意されています。
渡邊氏は、出版業界を取り巻く厳しい状況を踏まえ、「読夢の湯」のような小さな書店が生き残るためには、従来の枠にとらわれない柔軟な対応が必要だと訴えます。エンタメ性と交流を重視した空間づくりを通じて、書店、ひいては出版業界全体の活性化に貢献したいという強い思いが込められています。
書店とコワーキングスペースの融合、新たな可能性
「読夢の湯」の挑戦は、単なるコワーキングスペースの開設にとどまりません。書店とコワーキングスペースという異業種の融合によって、新たな可能性を切り開こうという試みです。
このプロジェクトが成功すれば、地域社会に貢献する新たなビジネスモデルが生まれる可能性を秘めています。高円寺という街の活性化にも繋がる、注目すべき取り組みと言えるでしょう。