業界初!一次データ流通基盤が目指す脱炭素社会の実現へ向けた挑戦
NTTコミュニケーションズ株式会社は、ユニ・チャーム株式会社と共に、2024年10月から日用品業界におけるGHG(温室効果ガス)排出量の算定を効率化する「一次データ流通基盤」の共同実証実験に取り組む。この取組みは、国内の日用品業界で初となる試みであり、デジタル技術を駆使して持続可能な未来づくりを目指す。
本実証の目的と内容
本実証の主な目的は、GHG排出量の算定に欠かせない一次データを共通のデジタルプラットフォーム上で流通させ、業界全体の効率化を実現することだ。具体적으로は、NTT Comが提供するデータスペース接続環境を活用し、複数の企業が実際にデータ連携業務を模擬的に行うことで、その有用性や必要な要件を検証していく。
また、安全にデータ流通を行うための仕組みも整えており、従来の中央集権型データベースとは異なり、データ提供者と指定された開示先間でのみデータが保存される分散型のアプローチを採用。こうした仕組みによって高度な秘匿性が確保され、データの安全性も向上する。
参加企業とその役割
共同実証には、日用品メーカーとして花王、大王製紙、ライオンなどが参加。また、資材メーカーやコンサルティング企業も名を連ねており、今回の取組みが広範な業界連携を促進することが期待されている。システム提供はNTTコミュニケーションズが担当し、デロイト トーマツ コンサルティングが全体事務局を務める。
取り組みの詳細
1.
サプライチェーン連携の効率化
データはデータスペース基盤を介して一元化され、各企業が個別に対応する手間が省かれることで、サプライチェーン全体の連携を円滑に進めることができる。
2.
データ秘匿性の確保
データの管理は分散型の仕組みで行われ、提供者と開示先以外の企業には情報が漏れることなく、安心してデータの流通が行える。
スケジュールと今後の展望
この実証実験は2024年10月から開始予定で、2024年12月までに実証結果を評価し、引き続き社会実装に向けた検討を行っていくことで、脱炭素社会の構築に向けた取り組みを推進していく。
NTT Comはさらに、分野間データ連携基盤「DATA-EX」や「ウラノス・エコシステム」といった活動にも参画し、脱炭素社会の実現に向けた技術開発やサービス開発を進める意向を示している。
まとめ
この取組みは、デジタル技術を活用した業界全体のGHG排出量削減を目指すものであり、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなるだろう。企業間の連携やデータ流通の新たな形が今後どのように進展していくのか、注目が集まる。