国立大学法人千葉大学は、環境問題に立ち向かう人材の育成に力を入れ、2024年10月1日から全学副専攻プログラム『環境サステナビリティ実践学』を開始することを発表しました。このプログラムは、人々や社会が直面する様々な環境課題を、文系と理系を融合した視点で理解し、協調しながら解決に取り組むことを目指しています。これにより、持続可能な社会の実現に寄与できる「環境課題解決人材」の養成が図られます。
千葉大学は2003年に設立された「環境ISO学生委員会」を通じて、ISO14001認証を取得し、20年以上にわたり学生が主体として環境マネジメントシステム(EMS)を運用してきました。この取り組みは、毎年約250人の学生が参加し、環境に関する目標や計画を策定する役割を担っています。さらに、キャンパス内外での省エネ活動や環境教育推進活動も行っており、持続可能な社会への実践的な一歩を踏み出しています。
大学では2004年度から「環境マネジメントシステム実習」を一般教養科目の一部として導入し、その受講生に基づいて学生委員会が形成されています。このような「千葉大学方式」は、学習と実践を融合させて学生に持続可能性に関する深い理解と実務能力を養成することを意図しています。さらに、これまでに700名以上の卒業生が社会に輩出され、国内外で数々の賞を受賞していることから、プログラムの国際的な評価も高まっています。
新たに設けられる『環境サステナビリティ実践学』は、主専攻とは異なる副専攻として、多様な科目を履修できる機会を学生に提供します。このプログラムでは、環境に対する認識や理解を深めるだけでなく、課題発見、課題解決策の立案、実践力の向上も図られます。受講者は、指定された約120科目の中から16単位を取得することで、副専攻を修了することができます。
修了者には、卒業時に修了証書が授与され、デジタル形式のオープンバッジも発行されます。これにより、環境に関する知識やスキルが具体的に証明されることになります。また、全学副専攻プログラムの一環として『バンチプログラム』も設置され、現代的な課題に対して学際的な視点からアプローチすることが求められます。
最終的に、千葉大学は2040年にRE100の達成を目指し、環境課題に取り組み続けることを宣言しています。このプログラムを通じて、持続可能な社会の実現を目指した人材を育成し、さらなる環境問題の解決に貢献することが期待されています。