山岳トンネル工事の自動化革命!鹿島の「A4CSEL for Tunnel」が実現する無人化施工
建設業界では、熟練技能者の不足や高い労働災害発生率、低い生産性が深刻な課題となっています。特に山岳トンネル工事は、その過酷な作業環境から、これらの課題が顕著です。
この課題解決に向けて、鹿島は次世代の山岳トンネル自動化施工システム「A4CSEL for Tunnel」を開発し、岐阜県飛騨市神岡試験坑道で実証実験を行いました。その結果、自動ホイールローダによるずり出し作業の無人化に成功しました。
「A4CSEL for Tunnel」とは?
「A4CSEL for Tunnel」は、山岳トンネル工事の掘削作業を6つのステップ(穿孔、装薬・発破、ずり出し、アタリ取り、吹付け、ロックボルト打設)に分け、各ステップで使用する重機を自動化し、それらを一元管理する次世代の建設生産システムです。
ずり出し作業の自動化
今回の実証実験では、自動ホイールローダ、遠隔バックホウ、ホッパーフィーダ(積込中継機)、遠隔操作室を連携させ、ずり出し作業の自動化を実現しました。
自動ホイールローダは、発破によって切羽に発生したずりを掬い取り、ホッパーフィーダまで運び、ダンプトラックに積み込みます。さらに、LiDARとSLAM技術を用いることで、トンネル内での正確な位置計測を実現し、発破による状況変化にも対応できるようになりました。
実証実験で得られた成果
神岡試験坑道での実証実験では、ずり出し作業の無人化によって、切羽近傍の安全性が飛躍的に向上しました。また、オペレーターの負担軽減にも大きく貢献し、労働環境の改善に繋がりました。
今後の展開
鹿島は、今後も「A4CSEL for Tunnel」のさらなる効率化を目指し、技術開発を進めていきます。建設機械の自動化・遠隔化による無人化、作業効率の向上、安全性の確保など、建設業界の課題解決に貢献していくことが期待されています。
山岳トンネル工事の未来
「A4CSEL for Tunnel」は、山岳トンネル工事の未来を変える革新的な技術です。自動化・無人化技術の導入により、安全で効率的な施工を実現し、建設業界全体の進化を加速させることが期待されます。