大阪と兵庫が描く空飛ぶクルマ社会の実現
近年、空飛ぶクルマの実現に向けた取り組みが全国各地で進められていますが、特に注目されるのが大阪府と兵庫県が連携して推進する「空飛ぶクルマ社会実証補助事業」です。福岡市に本社を置くQsol株式会社をはじめ、三井物産株式会社や国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)など、多彩な企業や機関が協力し、2023年7月3日にこの事業が採択されました。昨年度に引き続き、Qsolはこの新しいプロジェクトに参加し、安全で便利な空の移動手段の確立を目指します。
エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム
この事業では、エアモビリティの運用に必要な多様な情報を管理し、共有するための「エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム」が構築される予定です。このプラットフォームは、空飛ぶクルマやヘリコプター、ドローンなどの航空機の運航に関する位置情報やデータ、気象情報、離着陸場の利用情報など、さまざまなステークホルダーに向けて情報を提供します。これにより、エアモビリティの安全性がさらに向上し、利用者に安心して空の移動を楽しんでもらえる環境が整います。
期待される実施内容
今年度の事業では、昨年度の実績を基にさらなる要素を追加した実験が行われる予定です。具体的には、空飛ぶクルマの機体性能に関する情報を収集し、これを実証実験に活用することで、将来的な商用化や社会における利用シナリオを模索します。
また、空飛ぶクルマの離着陸場運営システムには、気象や空域の情報を反映させた新たなオペレーション管理機能が追加されます。これにより、空飛ぶクルマが運航する際のオペレーションと離着陸場での活動が有機的に連携し、スムーズな運用が可能とされます。
統合管理システム「NAST」の活用
Qsolが持つ運航管理・整備管理システム「NAST」は、航空業界での豊富な経験に基づき設計されています。このシステムを通じて、空飛ぶクルマ社会の実現に向けてさらなる「空の安全」を確保し、実証実験の成功へと導きます。特に、NASTは運航と整備に必要な情報を一元管理するため、利便性が向上します。
最前線のエアモビリティ展望
空飛ぶクルマが我々の日常に溶け込む未来は、今や夢物語ではありません。この事業を通じて、エアモビリティの商業化が進むことで、都市間の交通渋滞の解消や、移動時間の大幅な短縮が期待されます。最終的には、空飛ぶクルマが一般市民の生活に根付くことで、よりスマートで便利な都市環境が実現されるでしょう。
この新しい試みは、将来的な都市交通の在り方を大きく変える可能性を秘めています。いま、大阪と兵庫の連携が、日本における空飛ぶクルマ社会の実現へとつながる重要な一歩となっています。