画期的なAI対話技術、PKSHAと東北大学が協力
株式会社PKSHA Technology(東京都文京区、代表取締役:上野山勝也)と、東北大学言語AI研究センター(宮城県仙台市、センター長:鈴木潤教授)は、最新の生成AI技術と心理学の知見を結集した「説得対話エージェント」を開発しました。この革新技術は、2025年に開催される国内最大規模の「人工知能学会全国大会(JSAI2025)」で発表される予定です。
AI対話技術の新たな可能性
近年、生成AIの活用は急速に進展しており、さまざまな分野での自動対話技術のニーズが高まっています。特に、コーチングやカウンセリング、営業など、対話の難易度が上がる分野においては、戦略的なコミュニケーション能力が求められています。しかし、従来の対話AIは依然として人間の能力には届いていません。
本研究では、高度な心理状態モデルを実装した説得対象シミュレーターを開発。さらに、定量的な説得効果を測る新たな指標『平均意図変化(AIS)』を導入することに成功しました。この指標により、説得の効果を具体的に評価することが可能となります。特に、説得が難しいとされる意欲の低い対象者に対しても、高い意図変化率を実現しました。
論文発表の詳細と研究背景の説明
この研究成果は、「説得エージェントの拡張戦略設計と意図変化を用いた自動評価手法の提案」と題された論文として発表されます。物事の本質を捉え、的確にアプローチすることで、人の行動変容を促進し、より効率的な問題解決や意思決定を支援する狙いがあります。
学会の意義と今後の展望
JSAIは人工知能に特化した国内最大の研究大会で、毎年、学術界・産業界から多くの研究者や技術者が参加し、最新の成果が発表される場です。2025年の開催は、5月27日から30日にかけて大阪国際会議場で行われ、オンライン参加も可能です。詳細は公式サイト(
JSAI2025)でご確認ください。
今後、PKSHAはこの研究の成果をベースに、実用化に向けた更なる研究開発を加速させ、「PKSHA AI Agents」としてのコミュニケーション能力の大幅な向上を目指します。2012年からコミュニケーション領域を重点的に開発を進めており、すでに全国で7000体のAIエージェントが展開されています。今後も持続可能な研究開発を通じて、人とソフトウェアが協調し進化する社会の実現に貢献していくことでしょう。
東北大学の研究力
東北大学は自然言語処理の分野で国際的に高い評価を受けており、多くの論文がトップ国際会議に採択されています。同大学の言語AI研究センターは、最新のAI技術の開発と応用を推進し、多様な研究活動を展開しています。より良い未来を創るため、AI技術の安全性や研究の道筋を探求し続ける姿勢が評価されています。
まとめ
PKSHA Technologyと東北大学の共同研究は、AI対話技術の新たな地平を切り開くものと言えるでしょう。これにより、AIが人の行動をより深く理解し、効果的に介入できる未来が期待されます。日本のAI技術のさらなる発展に向けた大きな一歩になることでしょう。