老舗企業とイノベーション
2025-11-14 16:52:04

老舗企業が挑むオープンイノベーションの未来とは?

老舗企業が挑むオープンイノベーションの未来とは?



2023年、一般財団法人企業活力研究所が著した新書『老舗企業の未来を拓く 中堅・中小製造業のオープンイノベーション』が登場した。中堅・中小製造業が抱える様々な課題に対し、革新的なアプローチ「オープンイノベーション」で解決の糸口を探る本書は、特に伝統ある企業にとって注目すべき内容となっている。

書籍出版の背景



多くの既存事業を持つ老舗企業は、時として「イノベーションに後ろ向き」との扱いを受ける。しかし、地域社会や日常生活において重要な役割を担うこれらの企業こそ、変革を模索する必要があると企業活力研究所は主張する。技術や資源の革新が求められる中で、これまでの経験と外部との連携によって得られるシナジーが新たな可能性を生むとのメッセージが本書には含まれている。

企業活力研究所は、オープンイノベーションにより子供のような好奇心とワクワク感を取り戻すことが、老舗企業の復活につながると位置づけている。特に、次世代の経営者たちが新たな試みに挑戦する様子を描くことで、読者に勇気を与える目的がある。

10社の成功事例



本書の特筆すべき点は、「自社の強み×社外連携」を駆使した10社の具体例を深入りし分析していることだ。例えば、本多電子株式会社は新市場創造に向けたオープンテクノロジーを活用し、革新的なサービスを提供している。さらに、株式会社小松精機工作所はコア技術を高度化し、新たな市場への進出を果たしている。

一方、大和合金株式会社は「縁」のネットワークを利用して海外戦略をすすめており、羽生田鉄工所は伝統を守りつつ次世代へ事業承継を行っている。このように、各社の取り組みは多様であるが、共通して外部パートナーとの強固な連携が見受けられる。

続編の内容



書籍の後半では、成功事例を基にした「11のヒント」が提案されている。これによって、オープンイノベーションを進めるための戦略的なガイドラインが提供される。これらのヒントは、連携先の発掘から実行に至るまでのプロセスに焦点を当てており、製造業の経営者や新規事業の担当者にとって貴重な情報源となるだろう。

特に注目すべきは、地域をつなぐ価値創造や新たなネットワーク構築の重要性が強調されている点だ。中小企業がより大きな価値を生むためには、自社の強みを見極めながらも、外部との協働する姿勢が不可欠であるとのメッセージが響く。

将来の展望



老舗企業にオープンイノベーションがもたらす可能性は、試練であっても新たなチャンスであると企業活力研究所は示唆する。中堅・中小製造業が抱える幅広い課題への対処は簡単ではないが、書籍に描かれた成功事例をもとに、より多くの企業が新しい挑戦に踏み出すことを期待したい。

まとめ



『老舗企業の未来を拓く 中堅・中小製造業のオープンイノベーション』は、単なる方法論ではなく、経営者が未来に目を向けるための指針ともなる一冊だ。製造業の経営者や後継者だけでなく、行政や金融機関の支援者にとっても必読の書である。今後の日本経済を支える老舗企業の活躍が期待される中、本書はその一助となるだろう。


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会社情報

会社名
一般財団法人企業活力研究所
住所
東京都港区西新橋1-13-1DLXビルディング3階
電話番号

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