日本の退職後の生活
2019-09-24 11:04:27
日本のリタイアメント事情:ナティクシス調査で明らかになる退職後の豊かさとは
日本のリタイアメント事情:ナティクシス調査からの洞察
ナティクシス・インベストメント・マネージャーズが実施した2019年のグローバル・リタイアメント・インデックス調査によると、日本の退職後の生活の豊かさは23位に位置づけられ、前年よりも1ランク下がりました。この調査は、世界的なリタイアメントの状況を分析するものであり、様々な要因が日本の順位に影響を与えていることを明らかにしています。
調査の背景と目的
同調査は、退職後の生活を支えるために必要な資金や生活の質に影響を与える要素を評価しています。今年で7年目となる調査は、44カ国を対象に、18の重要な要因を検討し、日本の現状についても詳細な分析を行っています。特に注目されるのが、低金利や気候変動、平均余命の伸びといった、退職後生活に影響を及ぼすリスクです。
ナティクシスのCEOジャン・ラビーは、この研究が将来世代への生活保障の必要性についての重要な議論を促すきっかけになればと語っています。退職後の生活保障をどう確保するかは、多くの国で急務となっている課題です。
日本の主な順位と要因
日本は、健康指数が88%から90%に改善し、健康面での評価は高まっていますが、物質的な豊かさ指数が低下したことが順位に影響しています。特に、平均余命の延びや高齢者の雇用問題が指摘されています。日本の高齢者数は増加する一方で、出生率の低下が続き、退職者を支える労働者数が減少していることが背景にあります。
日本の雇用指数は高いものの、労働年齢人口の割合が低くなっており、退職後の生活を支えるためには更なる政策が求められています。政府債務指数や高齢者の労働者依存度指数では最下位となっており、これも社会保障に対する問題を浮き彫りにしています。
ESG投資の台頭
興味深いことに、ナティクシスの調査ではESG(環境・社会・ガバナンス)投資が退職後の資産形成において重要な役割を果たしていることも明らかになりました。保守的な貯蓄家にとって、ESG投資は年金制度への加入を促す要因とされています。
機関投資家はESGへの対応をより積極的に行う傾向にあり、多くの機関がESG基準を投資戦略に組み入れています。加藤欣司氏(ナティクシス北アジア代表)は、ESGは社会的責任だけでなく、経済的な機会にもつながると魅力を強調しています。
未来への展望
調査結果からは、日本の高齢化が進む中で、生活保障の施策が急務であることが指摘されています。今後の人口動態や経済情勢を考慮した長期的な計画が求められるでしょう。このような中、ナティクシスの調査結果は、政策当局や投資家が直面する課題を理解し、今後の対策を考えるための重要な材料となります。
退職後の生活は、今後ますます重要なテーマとなっていくことが予想されます。日本が直面する高齢化の波に対して、どのようにして持続可能な生活保障を確保できるか、引き続き注視していく必要があります。
会社情報
- 会社名
-
ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ株式会社
- 住所
- 東京都港区六本木1-4-5アークヒルズ サウスタワー8階
- 電話番号
-
03-6635-4020