1982インパクトファンドがKORTUC社に出資、がん治療の新たな可能性を模索

1982インパクトファンドが挑む、がん治療の革新

1982インパクトファンド（以下、本ファンド）は、2024年5月に設立予定で、社会課題に取り組む企業への出資を目指しています。最近、本ファンドが注目しているのは、がん治療の新たな可能性を拓く「KORTUC INC.」への出資です。がんは世界中で主要な死因の一つであり、その治療法の進展が急務です。特に、放射線治療は広く使われていますが、腫瘍内部の環境によって効果が制約されることがあります。そこで、KORTUC社はそれらの問題を克服する新しい治療法の開発を進めています。

1. がん治療の背景とKORTUC社のビジョン

現在、放射線治療は主要ながん治療法の一つとして多くの患者に利用されていますが、その効果が十分に発揮されないケースも少なくありません。腫瘍が低酸素状態である場合や、抗酸化酵素の存在が治療効果を妨げることがあります。これらの課題を解決するため、KORTUC社は過酸化水素水とヒアルロン酸ナトリウムを使用した新しい注射剤の開発に成功しました。この治療法は、腫瘍内の酸素濃度を上昇させ、放射線の効果を最大限に引き出すことが期待されています。

2. KORTUC社の治療アプローチ

KORTUC社が開発したプレフィルド注射剤キットは、特別な訓練がなくても臨床従事者が簡単に使用できるように設計されています。この注射剤を放射線照射前に腫瘍に投与することで、腫瘍内の酸素濃度を上昇させ、放射線治療の効果を高めることができます。2023年には本社をシリコンバレーに移転し、グローバルな展開も視野に入れています。

3. 臨床研究と今後の展開

現在、KORTUC社の製品は国内で1,300人以上の患者に対して臨床研究が行われており、安全性と有効性が確認されています。また、英国では乳がんを対象にした試験も進行中で、成功すれば薬事承認申請へと進む見込みです。このように、KORTUC社の取り組みは、がん治療の未来に大きな影響を与える可能性があります。