DSMの新製品、耐加水分解性Arnite® PBT
自動車産業が抱える多くの課題に対し、DSMが新たに開発した耐加水分解性のポリブチレンテレフタレート(PBT)、Arnite® HRが解決策となります。この新製品は、高温多湿環境下でも安定した性能を発揮し、エンジン周辺や電装部品など、厳しい条件で求められる信頼性を持っています。
自動車メーカーからは、ポリアミド6やポリアミド66が温度の上昇に伴い性能低下するという声が多く聞かれています。この状況を踏まえ、Arnite® HRは耐久性に優れた新たな選択肢として位置付けられ、標準的なPBTおよび高価な特殊機能ソリューションの中間点を提供します。
Arnite® HRの特長
Arnite® HRは、特に連続使用に耐える機械的特性を維持する能力において、従来のPBTよりも優れています。具体的には、USCAR Class 3、4、5に準拠したテストで、85℃、85%相対湿度の環境において最大3000時間曝されても、特性が維持されることが確認されています。この点が、自動車部品の耐用年数を満たす決め手となっています。
さらに、150℃でも高い性能を誇り、加工時間の短縮を可能にします。これにより、製造工程が効率化され、トータルコストの削減に寄与することが期待されます。加えて、吸湿性が低いため、寸法安定性も高く、電装用途での適性が向上しています。
脱炭素社会への貢献
エレクトリックビークル(EV)や自動運転の普及が進む中で、自動車産業はますます厳しいテスト基準を求めています。DSMでは、こうしたトレンドにも応えるべく、今後も新しいArnite®シリーズを展開する予定です。特に、ガラス繊維30%強化の2つの新グレードは、多様なニーズに応える設計となっており、一つはシリコーン系との結着性を高めたものです。
これにより、自動車業界のさまざまな課題に対して柔軟に対応できる製品ラインが整います。また、UL94規格での難燃性や耐衝撃性を考慮したグレードも提供され、顧客の求める特性と性能に応えることができます。
DSMのビジョン
DSMは、材料とライフサイエンスの融合により、自動車産業での持続可能なソリューションを強化しています。新しいArnite® PBTシリーズを通じて、カーエレクトロニクス分野において世界的に少ないフルサービスを提供するプラスチックサプライヤーとして、更なる成長を目指しています。
自動車部品メーカーや設計者にとって、Arnite® HRは信頼できるパートナーとなるでしょう。科学の力で持続可能な未来を切り拓くDSMの取り組みに注目が集まります。
お問い合わせ
製品に関する詳細は、DSMジャパンエンジニアリングプラスチックス株式会社までお気軽にご連絡ください。電話は03-5404-8301、メールは
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