物流ドローン運航を支える安定通信環境の研究開発が始動

物流ドローン運航を支える安定通信環境の確保に向けた取り組み

近年、物流の効率化や迅速化が求められる中、ドローンを用いた配送サービスが注目を集めています。特に、株式会社ブルーストーンリンクアンドサークル（以下、ブルーストーン）とANAホールディングス株式会社（以下、ANAHD）は、ドローン物流社会の実現に向けて基本合意書を締結し、安定した通信環境の構築に向けた共同開発を開始しました。この取り組みは、ドローンの飛行ルート構築に必要な通信環境の品質を可視化し、さらなる安全性の向上を実現しようとするものです。

基本合意書の内容とその意義

この合意書によって、ANAHDのドローン配送サービスにおける通信領域に対し、ブルーストーンが展開するAerial Engineering Solution（AES）を活用します。AESは上空の通信ネットワークのデータを取得し、独自のアルゴリズムで解析することで運航ルートの開拓を支援します。これにより、ドローン運航の安全性向上に寄与し、利用者が安心してサービスを受けられる基盤を築くことができます。

2022年末の航空法改正がもたらす変化

2022年12月に航空法が改正され、有人地帯での目視外飛行（レベル4飛行）が解禁されました。これにより、ドローン物流社会の実現が一層加速される見込みです。ただし、有人地帯の上空だけでなく、離島や山間部など様々な地域でも安定した通信ネットワークの整備が求められています。ブルーストーンとANAHDは、LTE通信を活用し、事前の通信解析に基づいた飛行ルートの開拓を推進していきます。

将来のビジョンと共同実証実験の展開

両社は、基本合意書に基づいて実証実験を行いながら、ドローン物流の社会実装に向けた事業検討を進めていく予定です。具体的には、安定した通信のもとでドローンが安全に飛行できる仕組みを整備し、多様なエリアへのデリバリーを可能にすることを目指しています。この進展は、商業利用においても新たなビジネスモデルを生み出す契機となるでしょう。

企業概要

ブルーストーンは2014年にドローン事業に携わり、通信ネットワーク解析に特化したソリューションを展開しています。ANAHDも航空機の安全運航に関する豊富な知見を生かし、ドローンの実証実験を通じて元気で安全な物流サービスの実現に向けて活動しています。このような企業同士のコラボレーションが、日本におけるドローン物流の発展に寄与することが期待されています。