海藻のメタン削減
2024-03-19 10:16:51
サンシキと高知大学、海藻を活用したメタン削減技術の成果を学会で発表!
新たなメタン削減手法として期待されるカギケノリの研究成果
近年、気候変動の進行が深刻な問題となっていますが、特に反芻動物が排出するメタンガスはその一因とされています。そこで、株式会社サンシキと高知大学総合研究センター海洋生物研究教育施設の平岡雅規教授らのグループは、反芻動物由来のメタンガスを削減するための取り組みとして、海藻「カギケノリ」の生産に関する研究を進めています。
カギケノリとは
カギケノリは、紅藻類に属する海藻であり、太平洋の熱帯地域を中心に広く分布しています。この海藻は、牛の飼料に0.2%混ぜることでメタンガスの排出を最大98%も減少させることが実証されています。これにより、環境問題への対応からも重要視されています。しかし、これまでのカギケノリの生産方法は十分な量産体制が整っていませんでした。
研究の成果
今回、サンシキと高知大学のグループは、高知県須崎市で採取したカギケノリを用いて、屋外タンクでの生産試験を実施しました。その結果、初期生重量13gのカギケノリが10日間で約10倍に増加し、134gに成長しました。この成果は、カギケノリの安定的な生産可能性を示すものであり、学術的にも大きな意義を持っています。
発表の背景
反芻動物によるメタンガス排出は全世界の温室効果ガスの約4%を占め、メタンの温室効果が二酸化炭素の28倍であることを考えると、早急に解決策が求められています。日本を含む一部の国では、畜産業からの温室効果ガス削減の目標が設定されています。この背景の中で、カギケノリによるメタン削減を目指した研究はますます重要視されているのです。
今後の展望
サンシキと高知大学の研究チームは、より効率的なカギケノリの生産方法の確立に向けた研究を続けていきます。具体的には、環境条件の最適化や大規模商業生産の試験を計画しており、これにより業界内での持続可能性をさらに推進していく考えです。
学会発表
これらの研究成果は、『日本藻類学会第48回大会』にて発表されることとなりました。学会は2024年3月22日から25日まで神戸大学で開催され、さまざまな研究者や企業が集まり、藻類に関する最新の研究成果を発表する場となります。
株式会社サンシキと高知大学との連携
サンシキは、海藻を基にした製品の開発を目指す新興企業であり、高知大学の海洋植物学研究室では高効率な海藻生産システムの研究が行われています。両者の協力により、持続可能な畜産業を実現するための重要な一歩となることが期待されています。
この研究は、気候変動対策として重要な意味を持ちながら、持続可能な未来に向けた一つの解決策として、多くの期待を集めています。今後、更なる研究の進展が期待されます。
会社情報
- 会社名
-
株式会社サンシキ
- 住所
- 東京都渋谷区恵比寿西2-4-8ウィンド恵比寿ビル8F
- 電話番号
-
090-5522-1109