第23回城の自由研究コンテスト、受賞者の発表
公益財団法人日本城郭協会と株式会社ワン・パブリッシングが共催する「第23回城の自由研究コンテスト」が行われ、見事な作品が次々と選ばれました。このコンテストは、日本の小学生と中学生を対象に、地域のシンボルである城をテーマにした研究を促し、文化遺産への理解を深めることを目的としています。
受賞者には、文部科学大臣賞や日本城郭協会賞、ワン・パブリッシング賞などが贈られ、審査は加藤理文氏を中心とした専門家たちが担当しました。210作品の応募があり、一次審査、二次審査を経て、最終審査に進んだ作品がその栄誉を手にしました。
受賞者の紹介
文部科学大臣賞(小学生の部)
鈴木遼太さん(東京都・武蔵野市立千川小学校6年)
作品名: 『続・「城地名」はどこにある?~“方角城地名”の謎~』
鈴木さんは昨年の研究をさらに深掘りしており、方角に関連する地名の意味を探求した点が高く評価されました。新たに見出した規則性やまとめ方も工夫に溢れています。
文部科学大臣賞(中学生の部)
足立晴音さん(埼玉県・獨協埼玉中学校2年)
作品名: 『道庭城の謎は本の中』
新たな視点で仮説を立てて調査方法を変えた足立さんは、関連する神社や城についての探求がしっかりと行われており、積み重ねた努力が実を結びました。
日本城郭協会賞(小学生の部)
各務日乃さん(東京都・東京学芸大学附属世田谷小学校4年)
作品名: 『世田谷城防衛ラインその内側を通る滝坂道?そんなはずはない!』
鋭い疑問を持ち、検証を重ねた各務さんの作品は、文章力と研究の完成度が高く評価されています。
日本城郭協会賞(中学生の部)
鵜飼壮さん(愛知県・一宮市立萩原中学校1年)
作品名: 『城は狙われていたのか~太平洋戦争の空襲で失われた城~』
鵜飼さんは非常に独創的なテーマに取り組み、城が戦争にどのように関わったのかを深く掘り下げています。調査の結果、戦争の悲惨さを浮き彫りにしました。
ワン・パブリッシング賞(小学生の部)
吉武律さん(広島県・広島大学附属小学校2年)
作品名: 『ちく城名人へのだい一歩!!~れいわにちく城ブームをまきおこせ!!~』
吉武さんの作品は、独自の視点で学校を城に見立て、災害から守る方法を考案したもので、現代的な感覚を表現しています。
ワン・パブリッシング賞(中学生の部)
中脇光翼さん(静岡県・掛川市立西中学校3年)
作品名: 『歴史の痕跡から読み説く 掛川城の真の姿IV~よみがえる「四つの天守」~』
長年の歴史を追求し、掛川城の変遷を詳細に描いた中脇さんは、高い評価を受けました。
審査員特別賞
神崎宗士朗さん(鹿児島県・薩摩川内市立川内小学校6年)
作品名: 『シラス台地とお城の関係~何故シラス台地の城は崩れないのか?~』
実践的なアプローチで実験を行い、独自の視点でまとめたさまざまな視点が評価されました。
表彰式の実施
受賞者の表彰式は2023年12月22日にパシフィコ横浜で開催された「お城EXPO2024」会場にて行われました。受賞者たちの熱心に取り組んだ研究が、一堂に会し、その成果が讃えられる素晴らしい瞬間です。
コンテストの背景
「城の自由研究コンテスト」は、子どもたちに自主的な学びを促し、様々な視点から歴史や文化について考えるきっかけを提供しています。全国からの175作品が寄せられ、その多様性と創造性が光りました。今回の活動は、子どもたちだけでなく、地域の文化への理解を深める一環としても意義あるものとなりました。これからも、さらなる参加者の応募を期待したいと思います。