住まい選びと生活満足度の関係:人生を豊かにする選択とは
2024年1月、三井住友トラスト・資産のミライ研究所が実施したアンケート調査を元に発表されたレポートが、私たちの住まい選びと生活の満足度について新たな視点を提供しています。住まいは私たちの生活の基盤であり、その選択は人生設計に多大な影響を与えます。以下では、調査結果を基に、賃貸と持ち家のそれぞれの特徴や、生活満足度との関係性について探っていきましょう。
賃貸と持ち家の選択肢:違いはどこにある?
住まいの選択肢として、「賃貸」と「持ち家」が挙げられますが、それぞれの生活満足度については、年代によって異なる傾向があります。調査結果によると、賃貸派は20歳代での生活満足度が高く、将来への期待感も強い一方で、50歳代・60歳代で生活満足度が低下することが示されています。対照的に、持ち家派は30・40歳代でも満足度が安定しており、60歳代まで徐々に上昇する傾向が見られます。これは、退職後に自己所有の住まいがもたらす心理的な安心感によるものと考えられます。
日本の住居形態においては、持ち家率は1993年から2023年までの30年間ほとんど変わらず、全体として約60%の水準を維持しています。しかし、年齢が上がるにつれて持ち家を選ぶ人が増えていることが明らかになりました。特に60歳代では持ち家比率が73.2%となるなど、個人の住まい選びにおいて持ち家を選択することが一般的な傾向となっているようです。
年代別生活満足度の特徴
調査結果によると、20歳代の生活満足度は現在(4.90)・5年後(5.41)ともに高く、特に将来への期待感が強いことが分かります。逆に、30歳代から50歳代の満足度は低下傾向があり、60歳代になると再び満足度が上昇するという興味深い結果が見られます。この背景には、ライフステージの変化や将来への不安感が影響を与えていると考えられます。
ライフプランとローン負担感がカギ
住まい選びが生活に与える影響は、住居形態だけにとどまらず、ライフプランの策定や住宅ローンの負担感にも関連しています。調査の結果、ライフプランを立てている人たちは、生活満足度が著しく高いことが明らかになりました。一方で、ライフプランを立てていない人はその値が大きく劣ります。これは、計画的な人生設計が生活の質を大いに向上させることを示唆しています。
さらに、住宅ローンに関しても、負担感が軽いほど生活満足度が高くなるという結果が得られました。念願の住宅購入が必ずしも生活満足度を高めるわけではなく、その背後には無理のない返済計画と、しっかりとしたライフプランが必要であることを示しています。
生活満足度を高めるために
心身の健康や日々の安心感を高めるためには、快適な住環境が重要です。しかし、この調査結果からは、住まいの選択だけでなく、ライフプランを立てることや、長期的に無理のない住宅ローンの返済計画を湊すことが、生活満足度に大きな影響を与えることが分かりました。経済的な知識を高め、自らの人生設計を見直すことが、より豊かな生活を生み出すためのカギとなるでしょう。
今回の調査結果は、住まい選びがどれほど大切かを再認識させてくれる内容となっています。今後の住居選びやライフプラン策定に役立てていきたいところです。
詳しくは三井住友トラスト・資産のミライ研究所のウェブサイトでもご覧いただけます。