光エレクトロニクスの新展開
2025-06-06 14:12:26

キラル物質を利用した新たな光エレクトロニクス技術の展望

新しい光エレクトロニクス技術の可能性



早稲田大学の研究チームは、独自の理論計算によりキラル物質の新たな特性を明らかにしました。この研究は、光を利用して電流を生成する新しい機能を持つ光エレクトロニクスの発展につながると期待されています。

研究の背景と発見


近年のレーザー技術の進展により、光を用いて物質の性質を操作する研究が加速しています。特に、キラルな結晶構造を持つコバルトとケイ素の化合物に光を照射した際、指向性のある電流が生成されることが理論的に発見されました。この好ましい現象により、光による電流生成の新たなアプローチが開かれたのです。

研究では、キラル結晶の特性を利用し、レーザー光の照射によってどのように電流が変化するかを探りました。特に、照射した光の整数倍の周波数を持つ新しい光が同時に生成される点は、光電流生成や電流のスイッチング技術への応用が見込まれます。

電流生成メカニズムの詳細


この研究では、CoSiという物質に円偏光のレーザーを照射し、どのように電流が生成されるかを数式を用いて解析しました。研究の結果、光の強度や周波数が変わることで電流の流れ方がスイッチされる特性が確認されました。これにより、複雑な電流制御が可能になるため、次世代の電子デバイスに向けた新しい局面が見込まれています。

高次高調波発生の理解


さらに、光の照射によって発生する高次高調波についても探求しました。この現象は、特定の条件下で異なる周波数の光を発生させ、進行方向を変える可能性を持っております。キラル物質特有の特徴を生かした応答が観察され、光通信やエネルギー変換技術における新たな応用が期待されています。

今後の展望


この研究結果は、キラル物質が光エレクトロニクスデバイスにおいて持つ高いポテンシャルを示しています。これに伴い、物質科学、光科学、エレクトロニクスの各分野におけるさらなる探求が期待され、将来的には新しい光機能デバイスが開発されることでしょう。特に、環境負荷の少ない次世代の電子機器、通信技術の開発に貢献することが期待されます。

研究者のコメント


研究を統括する大湊講師は、「光とキラルな構造の組み合わせが新しい電子機器の開発に寄与すると信じております」と語っています。今後の実証実験を通して、その理論の実現可能性を確認し、より具体的な応用を目指すと言及しました。

この発見が、科学界でどのように進展し、一般社会に影響を与えるのか、今後の行動が注目されます。次世代の光エレクトロニクス技術がもたらす革新に期待する声が高まっています。


画像1

画像2

画像3

会社情報

会社名
早稲田大学
住所
電話番号

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。