線虫のがん検査
2021-11-19 16:20:45
線虫の嗅覚を活用した新しいがん検査が誕生!すい臓がんの早期発見に期待
線虫の嗅覚で早期を狙う!次世代がん検査「N-NOSE」とは
2021年11月16日、株式会社 HIROTSU バイオサイエンスは、次世代型がん種特定検査「N-NOSE」の開発成功に関する記者会見を開催。特に注目されたのは、尿を通じて早期のすい臓がんを検知する能力です。この新しい検査法は、線虫の嗅覚を利用し、生物の特性を最大限に生かしたものとなっています。
1. なぜすい臓がんなのか?
すい臓がんは、がん死の第4位を占め、年間約3万人がこの病気で亡くなっています。その特異性は、初期段階では自覚症状がほとんどないこと。そして、早期発見が極めて難しいことが要因です。そのため、有効な検査法の開発が強く求められていました。このような背景の中、HIROTSU バイオサイエンスは早期のすい臓がんを特定するための新たな手段を提供しようとしています。
2. N-NOSEの特徴と精度
N-NOSEは、尿サンプルを使用し、がん特有の匂いを線虫に感知させることで、簡便に検査が行えるシステムです。会見では、開発した特殊線虫が感度100%(22/22)、特異度91.3%(42/46)という高い精度を持っていることが報告されました。この精度は、他のがん種との識別が可能であるとしています。
実用化の目途は2022年中に予定されており、現在も更なる研究が進められています。実際に、実用化が実現すれば、痛みを伴わず、手軽にがんを嗅ぎ分けることができる新時代のに向けた第一歩といえるでしょう。
3. 研究の詳細
HIROTSU バイオサイエンスの代表取締役、広津崇亮氏は、特別な反応を示す線虫 C.elegansの遺伝子を組み換えることによって開発に成功したと語ります。この特殊線虫は、がん患者の尿から発生する匂いに敏感に反応し、健康な人からは逃げる特性を持っています。これにより、がんと健康を的確に区別できるのです。
また、研究チームはすでに他のがん種についても同様の検査手法を模索しているとしています。将来的には、胃や大腸、乳がんなど、さまざまながんの特定が可能になることが期待されています。
4. 課題と期待
記者会見では、検査のコストについても言及されました。HIROTSU バイオサイエンスは、尿を使用するため、とても安価で提供することができるとしています。具体的な価格設定にはまだ至っていませんが、今後他のがん検査と比較しても手頃な価格にする見込みです。
検体や実用化の具体的な時期、将来の研究計画についても多くの質問が寄せられました。広津社長は、2022年後半には実用化できる見通しを示し、線虫の嗅覚を利用した新しいがん検査の期待を高めています。
5. 結論
N-NOSEは、画期的ながん検査法として大きな期待を寄せられています。特に、早期のすい臓がんを特定する試みは、医学界における長年の夢の実現につながるものです。この技術が実用化されることで、命を救う新たな道が開かれることに期待が寄せられています。
会社情報
- 会社名
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株式会社HIROTSUバイオサイエンス
- 住所
- 東京都千代田区紀尾井町4-1ニューオータニガーデンコート22階
- 電話番号
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