新融雪装置の実証
2019-12-10 17:44:31
大阪の大倉が開発した新融雪装置、グラフェンで冬の道路を守る
大阪の住宅メーカーが挑む冬の悩み
大阪に本社を置く株式会社大倉は、冬場の厄介な問題、雪による道路の凍結を解消するための新しい方法を試みています。特に、北海道の厳しい冬には、雪を効果的に融解させる技術が求められています。そこで大倉は、最新の素材「グラフェン」を使用した融雪装置『グラフェンヒーティング』の開発に乗り出しました。これにより、従来の電熱線よりもはるかに効率的に道路を温めることができると見込まれています。
伝統的な融雪の課題
一般的に、日本では道路の雪を融かすためにニクロム線という電熱線が使用されてきました。しかし、この方法は多くの電力を消費し、特に北海道では年間10億円以上の費用がかかっています。そこで大倉は、グラフェンという素材を使うことで、電気代を最大40%削減できる可能性があると計算しています。
グラフェンの特性
グラフェンは、電気や熱の伝導性が非常に高く、さらに強度にも優れた特性を持つ炭素のナノ素材です。この素材の特性を活かし、道路に埋設することによって、より効率的な熱伝導が実現されると期待されています。その結果、雪が効率よく融け、交通事故のリスクを減少させることにもつながります。
実証実験の始まり
大倉は、北海道の協力を得て、12月中旬から2か所の地点で実証実験を開始しました。栗山町のふたまた公園では、約10平方メートルの歩道にグラフェンシートを20枚設置しました。また、美浜市の樺戸跨線橋では、階段や踊り場を含む53枚のシートが敷設されています。実験では、グラフェンを使った融雪の効果や、実際の電気代を詳しく検証します。
未来への展望
この実証実験は、来年春まで継続される予定です。大倉の目標は、成功した場合、この新たな融雪システムを道内全体に広げていくことです。冬道の安全性向上に向けて、この技術がどのように役立つかが注目されています。
会社情報
株式会社大倉は1962年に設立され、生活の基盤となる「住」に関連する事業を展開しています。住宅の開発だけでなく、リゾート事業にも取り組んでおり、「安心」「安全」「快適」を提供するため、最新技術の導入に積極的です。今回のグラフェンを用いた融雪装置の開発も、その一環として位置づけられています。
冬季間における雪による不便を軽減するため、大倉の新たな試みが今後の冬の道路のあり方を変えるかもしれません。今後の実証実験結果に期待が寄せられます。
会社情報
- 会社名
-
株式会社HESTA大倉
- 住所
- 東京都千代田区霞が関3丁目2番5号霞ヶ関ビル6階
- 電話番号
-
03-6261-4960