TISとJPYCが提携し、ステーブルコイン決済を推進
TIS株式会社とJPYC株式会社が日本円建ステーブルコイン決済の普及に向けて基本合意書を締結しました。この取り組みは、日本国内での電子決済手段の利便性を大きく向上させ、特に中小企業や個人事業者に対して新たなビジネスチャンスを創出することを目指しています。
ステーブルコインとは?
ステーブルコインは、法定通貨にペッグされた暗号資産で、価格変動が少なく、安定した価値を保つことが特徴です。特に日本円建のステーブルコイン「JPYC」は、国内の需要に応じた実用的な決済手段として期待されています。JPYCは、日本円に1対1で交換可能であり、特に観光客を狙ったインバウンド需要の活用にも寄与するでしょう。
根本的な背景と目的
経済産業省によると、2024年時点で日本のキャッシュレス決済比率が42.8%を超える見込みです。しかし、特に中小企業や個人事業者においては、依然として現金決済が主流であり、手続きの複雑さやコストの面での課題が顕在化しています。これを受けて、TISとJPYCは、ステーブルコイン決済の普及を通じて、これらの問題を解決しようとしています。
具体的な競合イメージ
TISが提供する「ステーブルコイン決済支援サービス」により、JPYCを扱うことで事業者は自社の決済システムを構築する必要がなくなり、低コストで迅速にサービスを利用できるようになります。2026年春から夏にかけてのProof of Concept(PoC)を経て、同年内には正式なサービス提供を開始する予定です。この流れにより、クレジットカードよりも手数料を削減し、より便利で柔軟な決済サービスを提供できるとしています。
協業の相乗効果
TISは、web3技術やブロックチェーンを活用し、JPYCの発行および償還におけるノウハウを生かして、新たなサービスの開発と情報の共有を進めます。これにより、両社はステーブルコイン決済の普及を一層促進する見込みです。
今後の展望
TISは、JPYCとの協力を通じて新たな事業の創出にも力を入れていきます。また、国内大手事業者とのPoCを通じて、ステーブルコイン決済の有用性を検証し、2031年度には売上高を7億円、2036年度には20億円を目指すとしています。これにより、さらなるインバウンド需要の獲得と多業種への展開を図ります。
TISとJPYCについて
TISは、ITを駆使したさまざまな経営課題の解決を支援し、日本全国で3,000社以上のビジネスパートナーとの関係を築いてきました。一方、JPYCはその発行や償還に特化した企業で、ブロックチェーン技術を活用した決済基盤の整備に力を入れてきました。
今回の協業により、TISとJPYCは日本国内における新たな高効率の決済手段を提供することで、経済のデジタル化を一層加速させるでしょう。両社の取り組みが成功すれば、国内のキャッシュレス決済の未来を大きく変える可能性があります。
結論
このように、TIS株式会社とJPYC株式会社の提携は、日本円建ステーブルコインを用いた新しい決済手段の普及という大きな課題に対して、実用的な解決策を提供する可能性を秘めています。これからの進展に注目が寄せられています。