ENEOSEがAspen Mtellを活用し製油所の運転信頼性を向上させる取り組み
ENEOSE株式会社は、工業向けの異常予兆検知AIシステムである「Aspen Mtell」を導入し、製油所や製造所装置の運転信頼性を向上させるプロジェクトを発表しました。このシステムは、従来の方法に代わって、より精度高く異常を検知することが可能です。
従来の検知方法とその課題
これまでは、製油所の装置の計器データを監視し、運転中の異常を早期に発見することが目的でした。しかしこの方法では、異常が発生した際にその原因を判断するのは難しいことが多く、操業に大きな影響を及ぼす可能性がありました。特に、未経験のトラブルが発生した場合、迅速な対応が求められたのです。
新しい異常予兆検知システムの導入
Aspen Mtellの導入により、さまざまな計器データの相関性を分析することで、微小な異常を初期段階から検知できるようになります。これにより、トラブルの未然防止が可能となり、装置の運転信頼性の向上が期待できます。また、機械学習を活用して異常のパターンを学習させることで、既知のトラブルはもちろん、未知のトラブルに対しても素早く対応することができるのです。
仙台製油所での実証試験
このシステムの実証試験は2019年度から国内初の仙台製油所において開始されており、他の異常予兆検知ツールとの評価を行ってきました。その結果、異常予兆検知の効果が確認できたため、今後はさらに多くの製油所や製造所に展開する計画です。これにより、操業中の安全性が増し、効率的なエネルギー供給の維持が見込まれます。
デジタルトランスフォーメーションの一環
この取り組みは、ENEOSEグループが進めている第3次中期経営計画の一環として位置付けられています。DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は、確実な収益基盤の構築とエネルギー転換に向けた取り組みの一部であり、製油所の運転信頼性を向上させることによって、稼働率を高めることを目指しています。
まとめ
ENEOSEがAspen Mtellを導入することで、製油所の運転がより安全かつ安定になることが期待されています。AI技術の活用によって、未来の製油所の姿が大きく変わる可能性があり、今後の進展が注目されます。