自社IT部門主導で生成AI利用率80%超えを達成した味の素の取り組み
自社IT部門主導で生成AI利用率80%超を実現
味の素冷凍食品株式会社は、生成AIの導入を進める中で、社内利用率が80%を超える成果を上げました。この成功は、IT部門のリーダーシップのもと、全社的な教育とベンダーとの共創が鍵を握っていました。
生成AI導入の背景と目指す未来
2024年9月時点で、国内企業の71.3%が生成AIを導入しているものの、活用ができているのはわずか23%にとどまり、多くの企業は定着に課題を抱えています。味の素では、2024年5月からAIを全システムに組み込み、<生成AIが常識となる>環境を生み出すことを目指しています。
IT部門が推進するこの取り組みでは、利用ルールの確立、全従業員の教育、トップからの一斉導入が重要な要素とされています。社内全体での協力を通じて、生成AIの実用化を図ったのです。
施策内容および実施方法
(1) 利用ルールの策定と浸透
安全な業務利用を促進するため、「生成AI利用ガイドライン」を作成。さらに、社員が安心してAIを活用できるよう「生成AI利用四か条」を設け、全社員の意識統一を図っています。また、公開範囲や利用用途に関するルールの徹底も行っています。
(2) ベンダーとの共創による機能進化
技術の進化が激しい中、味の素はベンダーと協力してサービス品質の向上を目指します。特に、ナレッジセンス株式会社の生成AIサービス「ChatSense」を導入し、実績を追求して機能やUIの改善を行ってきました。このアプローチにより、100以上の機能改修が実現されています。
(3) 全社員を対象とした教育
実務に基づいた教育を実施し、手を動かして学ぶ形式を取り入れています。具体的には全7回のハンズオンセミナーを実施し、社員が「使える技術」として生成AIを習得。90%以上の受講者が「利用できる」と回答し、活用率の向上に寄与しました。
(4) トップによる一斉導入
社長メッセージにより、生成AIは全社員のサポーターであることが明確にされた結果、派遣社員やパートも含めて全社一斉導入が行われました。社内SNSを通じ、四半期ごとに進捗を共有する文化が育まれています。
(5) 内部リソースによる主導
外部に依存することなく、自社のIT部門が現場の理解と技術力を活かして進めるため、持続可能な運用体制が整いました。
達成した成果と具体的な利用例
2025年12月には、月間のトークン利用が約240百万トークンに達し、従業員の平均利用頻度は週7回以上となっています。リサーチやアイデア創出、ドキュメントの草案作成などで、6,800時間以上の業務削減を実現しています。具体的な利用例としては、製品開発のペルソナ作成、業務改善のExcelマクロの解析、販促物のコピー案出し、多言語翻訳など、多岐にわたります。
今後の展望
今後は個人の利用から組織全体への業務適用へと移行し、IT部門と各部署に推進担当者を配置して、多様な業務テーマを推進します。生成AIの活用による業務の設計やナレッジの蓄積、AIリテラシーの向上に取り組むことで、さらなる飛躍を目指す予定です。
会社情報
- 会社名
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味の素冷凍食品株式会社
- 住所
- 東京都中央区銀座7-14-13日土地銀座ビル
- 電話番号
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03-6367-8600