子どもたちの共助
2021-01-15 11:00:05

SNSを活用した新しいメンタルヘルスケアの形—子どもたちの共助の試み

SNSを通じて広がる子どもたちの共助の場



現代の子どもたちの心の健康が脅かされる中、熊本市教育委員会は「ほっとらいん」というSNSを活用した心のケア相談を実施しています。この取り組みは、子どもたちが自分の悩みを匿名で相談し、同年代の友達からのアドバイスを受けることができる新しい形のメンタルヘルスケアです。

使いやすいプラットフォーム



「ほっとらいん」は、学校から配布されるQRコードを使って子どもたちが登録する仕組みです。登録後、画面上には6つのメニューが用意されており、そこから専門心理カウンセラーとの相談や、いじめ・虐待通報の機能も利用できます。特に注目されているのが「みんなに相談」という機能で、ここでは子どもたちが抱える悩みを匿名で他の子どもたちに相談することができます。

共助の精神を育む場



「みんなに相談」が開始されたのは2020年4月のこと。このプラットフォームでは、子どもたちが274件の相談を掲載し、810件の回答を寄せるなど、多くの利用があります。驚くべきことに、相談した子どもたちは、他の子どもたちからの温かい言葉を受け、自らの悩みを解決する手助けを得ています。この共助の精神は、単なる相談を超え、子どもたち同士の絆やコミュニケーション能力を育んでいるのです。

心の光をもたらす言葉



コミュニケーションワーカー支援機構の鈴川みやこ氏は、相談に寄せられる内容には自分自身の問題、友人関係、または家庭の悩みなど多岐にわたることを語ります。中には「死にたい」と思うほどの深刻な悩みを持つ子どももいますが、同年代の子どもたちが優しい言葉で応え合い、少しでも心が軽くなれるよう励まし合います。鈴川氏は、こうしたやり取りから、子どもたち同士の心の交流が生まれ、互いに助け合う姿勢が育まれていると述べています。

SNSがもたらす新たなコミュニケーション



「みんなに相談」では、同じ年齢の子どもたちが悩みや不安をシェアし、それに対するアドバイスを行っています。例えば、ある高校生が受験や部活動のプレッシャーに悩みを投稿した際、同じように部活を頑張っている中学生が共感を示し、支え合ったエピソードが紹介されています。このように、利用者同士のつながりは新たな形のコミュニティを形成し、子どもたちの「コミュニティ免疫力」を高める作用をもたらします。

コミュニティ免疫力の重要性



「コミュニティ免疫力」とは、集団が持つ問題解決能力のことです。「ほっとらいん」を通じて子どもたちが得た経験や学びは、単純に悩みを解決するだけでなく、団体としての力をも育成しています。特に、植物を使った「タイプ別診断テスト」を取り入れ、自分や他者の特性を理解する機会をしっかりと提供している点が新しいアプローチです。他者を理解することで、誤解を減らし、コミュニケーションがスムーズになると鈴川氏は強調しています。

結論



「ほっとらいん」は、子どもたちのメンタルヘルスケアに寄与しており、SNSを利用したこの新しい形は、今後ますます重要な役割を果たすことでしょう。困難な時代だからこそ、子どもたちが互いに支え合える環境を提供することが、今後の成長において必要不可欠です。心のケアを大切にしながら、これからも子どもたちの共助を促進していく必要があります。

会社情報

会社名
一般社団法人コミュニケーションワーカー支援機構
住所
愛知県名古屋市西区名駅2-34-17セントラル名古屋1101号
電話番号
050-5305-9318

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