Alumnoteの挑戦
2021-12-01 11:00:44
日本の大学ファンドレイジングとアルムナイネットワークの活性化に挑むAlumnote
日本の大学ファンドレイジングとアルムナイネットワークの挑戦
株式会社Alumnoteは、各大学のファンドレイジングやアルムナイネットワークの強化を図るため、株式会社東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)と東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)から資金調達を行いました。この取り組みは、減少傾向にある国立大学の運営費を補填し、持続可能な経営を実現するための重要なプロジェクトです。
大学ファンドの重要性
日本の国立大学は運営資金の確保に苦しんでおり、国からの支援が年々減少している状況です。このため、大学が自立して収入を得るためには新たな資金調達の方法を模索する必要があります。特に、アメリカの大学では寄付金の運用や基金の規模が非常に大きく、例えばハーバード大学では、2021年度に110億ドル以上の増加が報告されており、日本との差は歴然としています。
2020年には日本政府が10兆円規模の大学基金を創設し、国際競争力の強化や研究支援に充てる方針を発表しましたが、まだ多くの大学がその恩恵を十分に受けていないのが現状です。国際的な収益構造との格差を埋めるためには、寄付金文化の醸成が急務です。
世界の大学と寄付文化
海外のトップ大学では、卒業生などの有志による寄付が数百億から数千億円規模で集まり、特にハーバード大学では収入の約半分が寄付金とそれに基づく基金の運用益によって賄われています。このように、日本でも卒業生を含めた寄付金の確保が大学の収益基盤の中心となってくるべきです。東京大学は「UTokyo Compass」において、卒業生ネットワークなどへの新たな方針を掲げており、他の大学でも寄付金の戦略的活用が求められています。
Alumnoteの役割
Alumnoteは、大学コミュニティの活性化とアルムナイネットワークの構築を目的に、寄付金の獲得に向けた様々なアプローチを実施しています。具体的には、大学独自のオンラインプラットフォームを提供し、在学生や卒業生、教員などが参加できるネットワークを形成し、寄付文化の醸成を目指しています。これにより、寄付者とのコミュニケーションを強化し、各大学のニーズに合ったチャリティイベントの企画・運営も担当します。
2021年末には、企業からの寄付を促すオンラインイベントの実証実験が開始される予定であり、2022年にはプラットフォーム上での決済機能を強化し、さらに寄付金獲得への実証実験を進めていく考えです。
今後の展望
Alumnoteの代表取締役社長、中沢冬芽氏は「生まれ育ちでの社会的成功に違いが大きいという課題に対し、若者が成功するためのインフラを整えたい」との思いを語っています。また、社会に対する影響力の大きさから、未来に向けての寄付文化の確立には多くのステークホルダーの協力が必要です。寄付文化の浸透が、大学の財政基盤を強化し、社会貢献にもつながると期待されています。
まとめ
株式会社Alumnoteは、日本の大学におけるファンドレイジングとアルムナイネットワークを活性化するために、大きな一歩を踏み出しました。UTECや東大IPCと連携し、寄付文化の根付きを進めることで、持続可能な大学運営の実現を目指しています。これにより、日本の大学が国際舞台での競争力を高めることが期待されます。
会社情報
- 会社名
-
株式会社Alumnote
- 住所
- 東京都千代田区内幸町2丁目1-6WeWork日比谷パークフロント19F
- 電話番号
-
03-3837-5050