大規模高速構造解析ソフト「ADVENTURECluster2025」が新登場
株式会社アライドエンジニアリングは、2025年10月1日、最新のCAIソフト「ADVENTURECluster2025」をリリースすることを発表しました。このソフトは、数千万から一億節点を超える大規模メッシュモデルの高速構造解析を実現する国産ソフトウェアで、2001年の初版リリース以来、国内100社以上の自動車メーカーや重工業他、多くの企業に導入されています。
新バージョンの特長
今回の新バージョンでは、以下のような機能強化が施され、開発の効率や精度が向上しました。
1. ハイブリッド並列処理による高速化
「ADVENTURECluster2025」では、MPIとOpenMPを組み合わせたハイブリッド並列処理が実現されており、解析速度が従来比で2倍以上向上しました。100並列以上の環境でも安定した処理性能が維持され、これにより、大規模モデルの解析時間が大幅に短縮されました。これにより、潜在的な課題が見えやすくなり、製品開発の期間を短縮する大きな助けとなります。
2. 静的縮退機能による軽量化サポート
新機能の静的縮退モデルは、最適化対象でない部品を代替することで、計算負荷を削減します。これにより、計算期間を短縮し、短時間で複数の評価項目を検討できるようになりました。さらに、最適化結果はSTE形式で出力でき、CADとの連携が円滑に行えます。
3. Hashiguchi塑性モデルによる高精度解析
新しく搭載されたHashiguchi塑性モデルでは、部品成形後の戻り変形(スプリングバック)の予測が可能となり、材料の疲労挙動を精密に解析できます。これにより、製造プロセスが製品性能に与える影響を評価しやすくなりました。
4. 離型性の解析機能の強化
鋳造工程における製品の離型性の解析が新バージョンではさらに自動化され、不要な接触面を自動的に除去することで解析の効率が向上します。これにより、安定した解析が実現され、試行回数を増やすことができるようになりました。
今後の展望
市場のニーズが多様化する中で、ものづくり企業の開発スピードと柔軟性が求められています。株式会社アライドエンジニアリングは、今後3年間で新しいソルバ「AMG」を導入し、AIエージェントによる解析条件の自動設定ツールを開発する予定です。
また、設計事務所の効率化を目指して「形状生成AI」の採用も計画しており、誰もが扱いやすい解析環境を提供することを目指しています。これにより、グローバルな事業展開にも対応し、マルチ言語サポートや支援体制の強化を進めていきます。
株式会社アライドエンジニアリングについて
創業から40年以上にわたり高い技術力で産業界に貢献している株式会社アライドエンジニアリング。最新の技術革新を追求し、社会的価値の創出に努めています。
- - 所在地:東京都江東区豊洲3-2-24豊洲フォレシア13階
- - 事業内容:CAEシステムの開発・販売、受託解析、コンサルティングなど
- - 公式ウェブサイト
今後も新たな技術革新を通じて、ものづくり企業に新しい価値を提供し続けることを目指しています。