アストロスケールのデブリ除去衛星「ADRAS-J」、衝突回避機能を実証!
宇宙ごみ(デブリ)除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールは、2024年2月に打ち上げた商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」のミッションにおいて、重要な成果を収めました。
ADRAS-Jは、運用を終了した衛星などのデブリに安全に接近し、その状態を調査する世界初の試みです。今回のミッションでは、観測対象のデブリの周回観測中に、自律的なアボート(衝突回避)が発生しました。これは、ADRAS-Jに搭載された衝突回避機能が正常に作動し、安全な運用を確保したことを示す重要な成果です。
デブリの周回観測と自律的なアボート
ADRAS-Jは、デブリの周りを一定の距離を保ちながら飛行し、その画像を連続的に撮影する「周回観測」を実施しました。しかし、デブリの周囲を約1/3周回したところで、デブリとの相対姿勢制御に異常が発生。ADRAS-Jは、搭載されたシステムが自動的に異常を検知し、安全な距離まで待避する「アボート」を実施しました。
衝突回避機能の有効性を実証
アボート機能は、デブリ除去や衛星の寿命延長などの軌道上サービスにおいて、対象物との衝突を避けるために不可欠な技術です。今回のアボートは、ADRAS-Jが設計通りに自律的に動作したことを示し、衝突回避機能の有効性を証明しました。
アストロスケールは、今後もデブリ除去技術の開発を進め、持続可能な宇宙環境の実現に貢献していきます。
ADRAS-Jのミッションと今後の展望
ADRAS-Jは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の「商業デブリ除去実証」フェーズIの一環として開発されました。アストロスケールは、このミッションを通じて、デブリ除去技術の実用化を目指しています。
今回のアボートは、ADRAS-Jの安全性を確認した重要な成果であり、今後のデブリ除去技術開発において重要な一歩となりました。アストロスケールは、引き続き、安全で持続可能な宇宙環境の実現に向けて、様々な取り組みを進めていきます。