株式会社ファンケルが、日本バイオイメージング学会で名誉あるベストイメージング賞を獲得しました。この受賞は、主任研究員の東ヶ崎健氏による研究成果に基づいており、特にチオレドキシンという抗酸化タンパク質が皮膚の弾性線維に与える影響に関する画期的な発見が評価されました。
この研究は独自に開発された4Dイメージング技術を使用し、摘出したヒト皮膚を特別な方法で培養することで実施されました。4Dイメージング技術では、対象物を立体的に観察するだけでなく、時間の経過に伴う動的な変化を捉えることが可能です。本研究では、摘出皮膚内での弾性線維の伸長過程をタイムラプスで観察しました。
研究者たちは、皮膚内部の細胞核や細胞膜を染色し、さらに弾性線維の自家蛍光を共焦点レーザー顕微鏡を用いて検出しました。その結果、皮膚にチオレドキシンを添加することで、弾性線維が伸びる様子を時間的に捉えることに成功しました。これによって、加齢に伴う皮膚機能の変化を理解する新たな道が開かれたといえます。
当社は、加齢やその他の要因による皮膚の変化についての研究を進めており、特に弾性線維が皮膚の弾力性にどのように関わるのかを調査してきました。おかげで、抗酸化タンパク質であるチオレドキシンがどのように弾性線維を伸長させるかに関する新たな知見を得ることができました。
学会において発表された内容には、表皮と真皮の間で細胞がどのように相互作用し、弾性線維がどのように機能しているのかという貴重な情報も含まれています。これらの観察結果は、皮膚の健康維持や美容の研究において重要な意味を持つでしょう。
受賞を受け、主任研究員の東ヶ崎氏は、「このたびの受賞は非常に光栄であり、私たちの研究を支援してくださった多くの方々に感謝申し上げたい」と述べています。
さらに、「使用した4Dイメージング技術は、弾性線維の観察にとどまらず、皮膚内部で発生するさまざまな現象の調査に役立つと考えています。今後も研究を進め、より良い美容と健康のために貢献していきたい」と意気込みを語りました。
研究の背景には、加齢による皮膚機能の変化を理解したいとの思いがあります。これまでの研究では、弾性線維の形成過程を観察するためには組織を固定する必要があり、その詳細については不明な点が多かったのです。しかし、今回の研究方法によって、そのプロセスをリアルタイムで観察することが可能になりました。
最終的に、今回の受賞はファンケルが長年にわたって行ってきた基礎研究の成果が実を結んだことを示すものであり、美容と健康の未来に向けて新たな可能性を拓くことを期待しています。