京都セミコンダクターの新技術
2020-05-26 14:01:23

業界最小クラスの波長受光素子を実現した京都セミコンダクターの最新技術

京都セミコンダクターの革新



京都セミコンダクターが発表した「KP-2 二波長フォトダイオード KPMC29」は、広範囲な波長感度を持つ業界最小クラスの受光素子として注目を集めています。この革新的な製品は、400~1,700nmの波長域をカバーし、シリコンとインジウムガリウムヒ素を利用した受光素子が同一光軸上に配置されています。これにより、狭い範囲の波長に依存することなく、幅広い用途への適用が可能です。

開発の背景



近年、医療や産業、セキュリティの分野で求められる分光分析技術のニーズが高まっています。これは、被測定物に光を照射し、その反射や透過光を解析することで物性を特定する手法です。この技術では、多様な波長に対応可能な受光素子が求められており、特に医療機器ではコンパクトかつ高性能なデバイスが重要視されています。そこで、京都セミコンダクターはこれらの要望に応えるべくKP-2 二波長フォトダイオードの開発に取り組みました。

製品の特長



1. 広範囲な波長感度


KP-2の受光素子は、シリコンが短波長に、インジウムガリウムヒ素が長波長に特化しており、それぞれの特長を活かして波長域を拡大しています。この設計により、400mmから1,700mmに至るまでの幅広い波長での光電流信号を取得できるようになり、多彩な分光分析に対応可能です。

2. 小型化されたパッケージ


この製品のもう一つの大きな特長は、業界最小クラスの小型表面実装型パッケージです。光が最初に通過するシリコン受光素子の基盤に凹状の収納部を設け、それにインジウムガリウムヒ素の受光素子を組み込む設計によって、パッケージの高さを極限まで低く抑えることができます。これにより、従来品と比べて1/8の体積比まで小型化を実現しました。

利用可能な分野



この新しい受光素子は、特にパルスオキシメータやウェアラブルデバイスにおいて大きな役割を果たすと期待されています。生体モニタリングや健康計測の分野では、より精密でコンパクトなデバイスが求められており、KP-2はその要件を十分に満たしています。また、光電流を個別に取り出せる特性を活かし、高温物体の非接触温度測定用の技術にも応用可能です。

京都セミコンダクターとは



株式会社京都セミコンダクターは1980年に設立され、光半導体を専門に扱う企業です。高い精度と性能を持つ光通信やセンサー向け半導体を、日本の自社工場で一貫生産しています。世界標準の技術により、同社は光デバイス市場の先端を走り続けています。

この製品は、2020年8月31日からのサンプル受注、2021年4月1日からの量産受注が予定されています。詳細はこちらで確認できます。

会社情報

会社名
株式会社 京都セミコンダクター
住所
栃木県下野市下坪山1724
電話番号

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