探検家・角幡唯介が提案する新しい考え方
2021年10月29日、探検家の角幡唯介が新刊『狩りの思考法』を発表します。この本では、狩りを通じて得た彼の思考や知恵が総括されており、特にイヌイットの生活様式から学ぶことが多く語られています。新型ウイルスによって制約を受けた旅行生活の中で、角幡は新たな視点を得ることになりました。
イヌイットの知恵と厳しい現実
シオラパルクというグリーンランドの最北部に住むイヌイットたちは、農業が不可能な環境で生き延びるために、何千年もの間、狩猟に依存してきました。彼らの暮らしから彼が学んだのは、言葉「ナルホイヤ」に秘められた知恵です。この言葉は、イヌイットたちが困難な状況に直面した際の考え方の根本を表しています。
狩猟と旅の新たな視点
著者角幡は、イヌイットの猟師のように、食料を持たずに犬ぞりで移動し、獲物を頼りに2ヶ月もの間旅をする経験を通じて、狩りと旅の意味を再定義します。暗闇や不安の中に生きる彼らの生活は、現代日本の「安全」な暮らしとの対比を際立たせます。彼の筆致からは、明日をも知れぬ旅における偶然と運命、生命の喜びと苦しみが精緻に描かれています。
読者に何をもたらすのか
この本を読むことで、私たちは日常生活を少し異なる視点から再評価できるでしょう。狩りや旅を通じて感じ取った思考法は、単なるサバイバルの術だけでなく、心の余裕や洞察力をもたらします。いつも与えられた現実に縛られがちな私たちに、少しだけ違った景色を提供してくれる一冊となるでしょう。
この新刊は、探検家としての豊富な経験を基に、深い思索を促す構成になっています。多くの読者にとって、ただの書籍ではなく、人生を考え直すきっかけとなるに違いありません。
書籍情報
『狩りの思考法』はアサヒ・エコ・ブックスから出版され、248ページにわたって角幡唯介の探検と哲学が織り交ぜられています。定価は1,760円(税込)で、ISBNは978-4-87950-636-8となっています。読者は、この本を通じて、ただの冒険譚ではなく、深い思索を促す貴重な資料に触れることができるでしょう。詳細は
こちらから確認できます。
角幡唯介のプロフィール
角幡唯介は1976年に北海道で生まれ、早稲田大学を卒業後、新聞記者を経て探検家となった著者です。彼の作品は、単なる冒険記録ではなく、人間の本質や自然との関わりを問うものが多く、多くの賞を受賞しています。彼の経験を通じて、私たちもまた、新しい考え方を見つけ出す手助けとなるでしょう。